11話、葵と従魔とギルド職員
ギルドの受付から向かって右に移動開けっ放しの扉を潜ると、大型体育館ほどの大きさの倉庫に着いた。
「解体はこの倉庫でやる。ここに入らない獲物は王都くらいでしか扱えねぇから気をつけろよ!」
スノーを見ながら言うのは何故でしょう?
「……お前はいつまでランクカード握りしめてんだ?」
嬉しくてずっと握ったままだったランクカードを見ながら、突っ込まれたので渋々だけど丁寧にアイテムボックスの中に。
「新人冒険者にありがちな舞い上がり方だな…本当無茶すんじゃねぇぞ??まぁいい。獲物をここに全部出せ!」
って指示されたのは長机縦横3台ずつ置いたくらいの作業台。
全部乗るかな?って思いながら出し始めてホーンラビット78匹をやっとこさ出してコボルトを出そうとしたら
「ちょっと待て!まだ出てくんのか!?」
ちょっと後ろで見てたギルドマスターに言われて振り返ったら人が1人増えてた。いつ来た?
じゃなくて、
「まだコボルトが61匹とミノタウロスが4匹……」
え?出し過ぎた??アイテムボックス持ちの人の普通はどのくらいなの??
「なんで、フェンリルが一緒にいて、んな小物ばっかなんだ?ミノタウロスは小物って訳じゃねぇがそれでもだなぁ」
そっちかぁー!!あーよかった!アイテムボックスの事突っ込まれるのかとヒヤヒヤしたわ。
「ホーンラビットとコボルトは森からこの街に来る途中で私が狩りました。スノーは私が冒険者になるための練習に付き合ってくれていたので、途中で見つけたミノタウロス以外は狩りをしていません」
魔石付いてたから魔法のトランクも魔道具って言い張れるかも知れないけど、トランクの件は喋んない方が良さそうだから黙っとく。似た魔道具見つけた時に誰に教えるかとかは考えよう。
それまで黙ってたスノーが
「我は主を守るのが1番なのだ」
って援護してくれた!ナイスです。
「そうなのか、なら仕方ねぇか。フェンリルと一緒の奴の獲物ならって久々に大物大量かと期待したんだけどよぉ〜」
ギルドマスターそんなにしょげないでよ。
「高ランクの人達が長期で殆ど出払ってて、少なかったですもんね」
って知らん人が慰めてる。
この人だれぇー??倉庫に来て現れたから解体してくれる人なんだろうけど、ほんとだれぇー??
「はぁぁ。お前のこれからに期待しとくよ。活動拠点は拠点はここアティスにすんのか?」
「初めて森を出て来たばかりなのでまだ決めてません。暫くはこちらにお世話になると思いますけど…」
「そうかぁ…そうだよなぁ。なんかんな話も来てたもんなぁ…。っとこいつの事言ってなかったな!コイツは解体部門の責任者の」
「オルガです。よろしくお願いします」
「俺が喋ってんのに奪うなよ!」
「別にいいでしょう。」
わちゃわちゃ。戯れてるように見える。
仲良さそうで何よりです。厳ついギルドマスターとは対照的に180センチくらいで体格しっかりしてるけど優男風な人ですね、オルガさん。
「こいつぁ、俺が冒険者だった時のパーティーメンバーだ!腹黒いから気をつけろよ!ガッハッハッ!!」
なんて豪快に笑いながら教えてくれた。
ギルドマスターは元Sランク冒険者で武器は大剣だったんだって。オルガさんは元Aランク冒険者で武器は弓の後方支援タイプ、ジリジリ追い詰めるのが楽しかったんだとか。
ちなみにパーティー名は"紅の戦士"
全員何かしらの装備の一部を赤く染めてたのだとか。
昔の話を教えてくれながらオルガさんが手早く置き場所作ってくれて(作業台じゃなくてなんかの皮を敷いてた)そこにコボルトとミノタウロス全部出した。
出したやつ見ながらギルドマスターが喋り出して
「数は多いがデカくねぇし2〜3時間ってところか?」
「そうですねぇ、何人かこっちに回して……うん。3時間で」
って考えながらオルガさんが言って
「んなら3時間後に。お前肉はどうする?」
そう聞きながらギルドマスターの視線はスノーに。
私に聞くんじゃなくてスノーに聞くの?
しかもなんか普通に聞くやん?最初の対応もそうだったけどさ、さすが元Sランク冒険者ですね。って思ったら
「ホーンラビットの肉は要らん。ミノタウロスだけ渡せ」
ってスノーも普通に返事するやん?
待って私の意見は!?聞かないの!??
オルガさんは「本当に喋るんですね。フフフッ」なんて呑気に呟いて笑ってる。高ランクになると従魔がフェンリルでも平気ですか?
「ミノタウロスの肉が1番高ぇんだけどなぁ。了解っと。んじゃ3時間後に取りに来い!」
私の意見何にも聞かずに決まって倉庫から追い出された。
追い出されて受付の方に戻ったらあいも変わらず皆さんの視線と、シーンと静まり返った空間が待ち受けてた。
あ、ライラさんだけ笑顔だ!手振っとこ!
3時間時間潰すのにちょっと街歩きしましょう。そうしましょ!
どのタイミングでスノーを喋らせればいいのか、、、。




