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10話、葵冒険者になる



入り口開けて静かに入った…はずなのに。

外まで漏れ聞こえてたガヤガヤした喋り声が、シーンと静まりかえって皆んなの視線が私の方に固定されてる。

いやちょっと違うか、スノーに固定されてる。

なんなら武器に手をやってらっしゃる方々がチラホラ。皆んな100戦練磨みたいなオーラが出てらっしゃる……

従魔の証の首輪付けてるんだから大丈夫!きっと!


受付に行くまでにある人だかりがパッカリ割れて、思わずスノーを見たら目があった。どうするんだ?って目で見てこないで!どうにも出来ないよ!

とりあえず1番後ろに並んでたら、要らない恨みは買わないはず。流石に1500年前の話でフェンリルに恨み持ってますって人は居ないと思いたい。

「1番後ろに並んで順番が来るまで待ってよう」

って言って並ぼうとしたらササーッて皆んな動くのよ。

だから近づいたらまた動くの。

なんでだよっ!!

私はただ!出来るだけ穏便に平和に新しい人生スタートしたいだけなんです!

毎回こんなんなるんなか……トホホ。

これから先の事を考えてしょげてたら、白髪混じりの茶色の長髪を後ろで一つに結んだ厳ついおっさんが

「第三騎士団から連絡はあったが、本当に来たんだなぁ。お前だろ?フェンリルを従魔にしてる女ってのは。」

って腕組んで顎を触りながら近づいて来た。

「俺は、ここアティスのギルドマスターをやってるゲイリーだ。とりあえずこっち付いて来い!」


おっさんの後についてちょっとだけ場所を移動。

引き攣った笑顔のウサ耳お姉さんがカウンター所へ。

そこまで来てから

「騎士団から魔獣の解体と聞いたんだが?買取も出すか?」

って今だにシーンとしたままの空気の中で、さも普通に聞かれたら逆に戸惑うんですけど…。

「あぁ、お前は冒険者じゃねぇーから解体費用割高になるぜ。」

………このままの空気でいくんですね。

なら私も気にしないようにします。

だから地球で読みハマってた異世界モノの小説で見てなってみたい職業No.1にもなり、スノーも居るからお金稼げそうな職業!

「この街に来ながらずっと考えてたんですけど、冒険者登録したいのでその手続きからお願いします!!」

泣き虫出し怖がりだから、不安ではあるけど思いっきりスノーに頼ってやってみよう!

目指せ!脱・泣き虫!!!


「えらく意気込んでんなぁ!無茶やって潰れんなよ?

いや、従魔がフェンリルだから大丈夫か?」

そう言いながらうさ耳お姉さんに「説明してやってくれ!」ってバトンタッチしてちょっと脇に避けた。

まだ引き攣った笑顔のままお姉さんが

「初めまして。ギルドで受付を担当しているライラです。

早速ですが、説明に入らせてくださいね!」

自己紹介から始まってノンストップ説明してくれたよ。


・冒険者にはランクがあって最低ランクがF、最高がS。

・ランク毎に更新期間と更新料がある。

・ランク毎に受けれる依頼があって最低2〜最高100。

内訳は

Fランク=更新料 小銀貨5枚 期間6ヶ月

     依頼ポイント2〜3

Eランク=更新料 大銀貨5枚 期間6ヶ月

     依頼ポイント2〜3

Dランク=更新料 大銀貨5枚 期間6ヶ月

     依頼ポイント2〜3

Cランク=更新料 小金貨5枚 期間1年

     依頼ポイント5〜10

Bランク=更新料 小金貨5枚 期間1年

     依頼ポイント10〜20

Aランク=更新料 大金貨5枚 期間2年

     依頼ポイント20〜40

Sランク=更新料 大金貨10枚 期間5年

     依頼ポイント40〜100

更新期間中Fに〜Aランクまでは最低10回依頼達成、Sランクは依頼ポイント300分の依頼達成で更新料無料になる。

・ランク更新のためには依頼ポイントを貯めて昇格試験を受ける必要がある。試験は4ヶ月に1回開催。

試験は高ランク冒険者との模擬戦。

AランクからSランクになる時だけギルドマスターの推薦

・更新期間を過ぎても1ヶ月以内に手続きをすれば、更新料のみでランク継続。1ヶ月過ぎるとどのランクだろうとFランクに戻る。

・Cランクからは護衛依頼が出てくる。

貴族からの依頼がよくあるので講習を受けれる。

・緊急依頼のポイントはそのランクの最高値。

・成功報酬は依頼主によってまちまち。低ランクのみ報酬額が決まってる。

・パーティーのランクは構成メンバーのなかで1番多いランクか真ん中のランクになる。

例えば、5人組の場合A+A+A+B+BでAランク、A+A+B+B+BだとBランク、A+A+B+B+CだとBランクとなる。

・魔物や数によって解体費用が変わるが、冒険者は基本一律2割引き。ギルドマスターの判断で割合が変わる時がある。

・依頼はランク毎にギルド入り口の掲示板に張り出される。

と、こんな感じらしい。


話しながら慣れたらしい可愛い笑顔で

「説明は以上になります。質問はありますか?」

って聞かれたから、多分無理だろうなぁって思いつつ

「試験の際、従魔で模擬戦はアリですか?」

って聞いたらギルドマスターから

「普通は大丈夫だが、お前のはフェンリルだからナシ!」

と言うお答えが………ですよねぇー!!

「なら、他に質問はないので進めてください」



それから受け取った紙に自分の名前やら従魔の種族と名前を書いて登録料(Fランクの更新料と一緒の小銀貨5枚)と一緒にライラさんに渡して、ギルド記入欄に登録日やらなんかよくわからんのを書き込んで一度仕切りの裏に引っ込んだ。

カードを持って戻って来て笑顔で

「登録が終わりました。こちらがアオイさんのランクカードになります。依頼を受ける時や完了報告の時にも必要になりますので無くさないようにお待ちくださいね!」

うさ耳がピクピクしてて可愛いっ!

受け取ったカードは左上に名前と性別。

真ん中には国かギルドの紋章か。

右下に冒険者ランク。

あ、支払ったのは大銀貨からでお釣りは小銀貨5枚ちゃんと受け取ったよ!


登録してるの間どっか行ってたギルドマスターが戻ってきて

「お!登録は終わったな。次は解体だが、獲物を入れるようなもん持ってねぇなけどお前、アイテムボックス持ちか?」

コクンッ!

「なら倉庫に行ってから出すか。今度はこっちだ」

スタスタ行くからちょっと小走りになりながら付いてった。

ギルドマスターも背が高いんだよ。団長さんより高く見える。

ずっと静かだったスノーは説明中寝てたのか、伏せてた状態から起きてゆっくり付いてきてるよ!




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