青春
新年明けましておめでとうございます。
主人公のもう一つの顔、ラブコメ主人公の友人としての日常を今回から書いて行こうと思います。
ストローの包装紙をクシャクシャにし水滴をかけると包装紙がウニョウニョした。
「ほらウニョウニョするでしょ!」
「…」
「本当だ!不思議だね」
その光景を見てユーリはテンションが上がった。
「……」
「はっはっ!楽しいな!」
GWも終わって数日がたち俺達は千樹に誘われてファミレスに居てみんなで包装紙をウニョウニョさせて楽しんでいる。
「……イヤ!楽しくねぇよ!!」
突然机を叩き叫ぶ千樹、思わず俺とユーリと広司は驚いた。
「どうしの?突然大声出して他のお客さんに迷惑だよ」
ここはファミレス他にもお客さんが居るので何事?って顔してこっちを見てくる正直恥ずかしい。
「だってさ俺達今高校生なんだよ、なのに今の状況に耐えられなくて」
一体何が不満なのか分からず俺達は首を傾げてしまう。
「俺さぁ高校生になったら彼女とかって自然に出来るもんだと思っていたんだ」
それは分かる俺も中学生なれば彼女出来ると思っていた時期があるから。
「だけど現実は酷いもんだ、女の子が居ない男達だけの合コンに男達だけで開催されるクリスマスパーティー、ドキッ!ゴロリも有るかも男だらけの海水浴!!……なにコレ?俺が思い描いていた青春と違う!!」
そりゃマンガやアニメのような青春なんて無理だろ、でも千樹の気持ちは分かる。
俺の1年生の夏の時、稔・広司・英里・夏蓮・会長の5人でプールに行った時に女子3人がチャライ男達のナンパにあい彼氏が居ますで逃れようとして3人とも広司を彼氏役に選んで俺も居たのに彼氏役に選ばれずはなんだか切ない気分になった。
当然3人とも同じ男を彼氏として紹介したから嘘だとバレ、俺が腹いせ兼ねて男達をぶちのめして追い返した夏休み。
だけどあの日はまだましだった、クリスマスなんて俺だけ呼ばずに4人だけでクリスマスパーティーしてやがった、まぁ良いんですけどね高1の頃から勉強頑張らないと国立大学なんて行けないだろうしな!!
「こんな男ばかりの青春が嫌で女の子とも過ごす青春送りたくて今日はお前ら呼んだのに男2人男2人のWデートだよ!なんだコレ!」
今日は女子達みんな用事が合って来れなかったんだよな、ユーリも女の子だけど今は男として居るからノーカンだよな、でも千樹の主張聞いていてストローの包装紙ウニョウニョさせて楽しんでいる自分がいかに惨めな青春を送っているのか気付かされる。
ユーリと広司もどうやら千樹の主張に納得し落ち込んでしまった。
「最近俺思うんだ、女の子ってドラゴンやペガサスのように空想の生き物なんじゃないかと」
千樹は遠い目をしながら呟く、流石に空想は言い過ぎだろ。
でもこうして男だけで過ごしていたらそう思えて来る。
「…俺ちょっとドリンクおかわりしてくる、次いでだからみんなのも持ってくる同じ物で良い?」
千樹の話し聞いて何だか思いっきり飲みたい気分になったのでドリンクをおかわりしに行く事にした。
「僕も行くよ、次別の飲みたいし1人で4人分は大変でしょ」
俺は広司をお供に連れドリンクバーへ向かった。
そしてユーリと千樹は2人となり、そして千樹は思いっきりテーブルにうつ伏せた。
「あ~不幸だ我が人生に一片の幸福無しって言えるくらい不幸だ」
今日で会って2回だけど彼は本当に不幸なんだとユーリは思えた、マンガとかなら何かの能力の代償で不幸になるキャラが居るけど千樹は只不幸なだけ、今まで会って来た人の中で最も哀れな人だとユーリの中で認識になった。
「でもボッチ学園生活よりはマシなんじゃない?こうして友達と居られる日々なんて」
「でも彼女は欲しい、早く新しい恋をして忘れたいんだ……あっ!しまった!」
つい口を滑らせてしまった事に気付き千樹は口を塞ぐがそんな事しても意味がない、ユーリはバッチリ聞かれていた。
「何々?千樹って片想い中なの!誰々?ボクの知ってる人?」
メチャクチャ乗り気になって聞いて来るユーリ、これは言うまで諦めないだろうと思い。
「分かったでも他の誰にも言わないでね稔と広司だって知らないんだから、ユーリだけだからね、そして笑うなよ」
「分かった誰にも言わないし笑わない」
ユーリは口が固そうなので千樹は話す事にした。
「まぁアレだな、……莉子なんだ」
最後声が小さくなったが聞き取れた、千樹の片想いしてるのはどうやら莉子らしい。
「笑わないのかよ」
「笑わないって約束したでしょ、それで何で好きになったの?」
莉子はモデルや女優をヤってる美人なんだからある程度予想は出来たのでユーリは笑う事はなかった。
「でも美人だから惚れたって訳じゃないからね」
「まぁ芸能人なるぐらい美人ならチヤホヤされていて性格悪いって言ってたもんね」
同窓会でもそんな事を言ってた事は覚えていたのでそうなんだろ。
「それで良く一緒に居るウチにね」
照れながら千樹は答えた。
「それで告白はしたの?」
ユーリは最もな疑問を千樹に聞いた。
「出来る訳無いじゃ!莉子には別に好きな人がいたんだから!」
それは知っている稔の事だ。
「莉子にもソイツにもプライバシーが有るから名前は聞かないでくれ」
「分かった、でも莉子に好きな人が居るからって告白しないのは別の話なんじゃない」
新しい恋をしたいなら盛大にフラれた方が踏ん切りがつくものだ。
「そうなんだけどヤッパリ勇気出なくて」
そうだよね、本気の恋だとヤッパリ躊躇しちゃうよね。
そんな感じで千樹とコイバナをしていると店員に案内されてる見知ったメガネをかけた女の子を見かけ目が合った。
「あっ!久しぶり!」
「ロントドニア君!」
稔達と中学時代の同級生で稔とは同じ塾に通い今は県内屈指の進学校に進学した遠藤小春がいた。
折角の再会なので同席を誘い小春はそれに応じた。
「いつもこのファミレス使うの?」
歩み寄って来る小春にユーリは世間話で聞いてみた。
「時々ね、今日は友達と待ち合わせかねて、……って!げっ河野!!」
テーブルに近づき後部の正体は誰かと確認し千樹だと分かると物凄く嫌な人に合ってしまった顔をした。
「げっ!って失礼だろ卒業以来会っていない友人に向かって!」
口を尖らせ抗議する千樹、この2人何かあったのかな?
2人の反応を見て疑問を持つユーリだった。




