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ハートフルストーリー

莉子目線お送りしております。

同窓会から2日ほど経ち莉子が稔の家に突然やって来た。

「おう!莉子!お前が家来るなんて久しぶりだな」

「確かにそうだね、今日は仕事が丸1日無かったし頼まれてた物手に入れたから来ちゃった」

「そうか、だったら上がって行けよ!」

玄関で立ち話も悪いので稔は莉子を家に上げた。

「お邪魔します」


小学生の頃はよく来て中学生になってからは来る回数が減り中学卒業してからは1度も来ていないので何だか莉子は懐かしさ感じた。

リビングに入るとそこには勉強だろうか本を読んでいるユーリ達とグッタリしたミルフィが居た。

「…こんにちは」

「こんにちは」

「どうも」

挨拶はするが重い空気が漂う。


そんな雰囲気の中で稔は楽しそうに刀の手入れをし始めた。

「って!刀?!」

この法律の厳しい日本で刀を帯刀してるなんて捕まっちゃう、しかもその刀はどこか見覚えがある。

「ああ!サクラが使っていた妖刀・血桜だ!」


血桜は確か崩れた廃墟の病院の中に捨てて来たはず!なぜここにと莉子は疑問に思った。

「どうしてここに血桜があるの?って顔してるな!じゃあ聞かせてやろう!聞けば感動のハートフルストーリーだ!」


同窓会が終わり家に帰り夕食を食べている途中玄関から物音がしたから見に行くとそこには崩れた廃墟の病院に棄てたはずの血桜が靴箱に立て掛けてあった。

みんなに持って帰ったの?聞いても持って帰ってないと答える、なので山奥に行きミルフィと融合して魔法で地面に奥深く穴を掘り埋めた。

出来る事ならへし折っておきたかったのだが頑丈で折れなかったのでそのまま埋めるしかなかった。


そして自宅に帰りお風呂に入って上がると今度は埋めたはずの血桜が着替えの上にあり稔は恐怖した。

次は九州の鹿児島県に再びミルフィと融合して空を飛んで行く目的地は活火山である桜島である。

流石の血桜もマグマ相手だと処分出来るだろうと思いマッハを越えて飛び3分程で到着し火山の中に血桜を投げ込み帰宅した。


お風呂は入ったのでシャワーだけで軽く済まし就寝した。

サクラとの戦いが激しかったせいかグッスリと眠れスッキリとした朝を迎えた。

だが布団の中に何か違和感を感じ捲って見るとそこには、桜島の火山に棄てたはずの血桜がまるで添い寝するかのようにあった。


「って事が合ったんだ、鹿児島からこの埼玉まで帰って来たんだよ!これが帰巣本能ってヤツでコイツ帰って来たんだよ!そう思うとコイツが可愛くて可愛くて」

目がイッってしまっている稔は血桜に頬ずりをしながら語った。

「ちっともハートフルじゃない!それは帰巣本能じゃなくて呪われてしまっただけ!!目を覚まして稔!!」

稔の肩を掴んでガクガクと莉子は揺らし稔に訴えた。


「大丈夫よ!刀が稔を自分の主と認めただけで呪われてはいないから」

リビングに入って来たピンク髪でセレーナに負けず劣らずの大きな胸を持つキャバ嬢のような女性は言った。


「え~とどちら様ですか?」

顔立ちを見る限り日本人ではない、だとしたらユーリ達の仲間の1人なのだろ。

「アタシはあなた達が倒したサクラと同じ魔王の元幹部の1人でルジェリスって言うの」

「あのクモと同じ!!」

人食で自分達も食べようとしてきた化け物のサクラと同じと聞き莉子は距離をとり警戒心がマックスになった。


「落ち着けって莉子!」

稔の声を聞き莉子は冷静になった。

家に上げてもらっているって事は敵対してはいないと言う事、実際ユーリ達も敵意は向けていない。


「サキュバスで元の世界では男達を操って男達に殺し合いさせたりして楽しんだりしたが今は敵じゃない!」

「その経歴を聞いて更に信用出来なくなったんだけど!!」

「なら倒す?今のルジェリスは第1形態のサクラより弱いから莉子ならミルフィと融合すれば簡単に殺せるよ」

そう言われると躊躇ってしまう、サクラは完全に化物の姿をしていたしプッツン状態だった事もある、流石に人の姿をしている相手だと躊躇ってしまう。


「それにルジェリス家来る時メチャクチャお高いお肉とか持って来てくれるんだ」

「社長さんから貰った100g1万円の黒毛和牛は冷蔵庫にあるから食べてね!アタシ1人じゃ食べきれないから」

それを聞いてユーリ達が何故か渋い顔をした事を莉子は見逃さなかった。


「前にルジェリスが持って来た高級食材食べた時にお腹壊した事を思い出したんだよ」

稔が渋い顔をした理由を教える。

確かに売れてない芸人が高級料理を食べたら胃がビックリしてお腹壊したって話しは聞いた事あるけどユーリって貴族でしょ!それなのにお腹壊すなんて、向こうの世界の食文化は劣っているみたいだ。


「まぁとりあえず稔は刀に主と認められただけで呪われた訳じゃないから、呪われていたら今頃血を求めて人を切りまくっているから」

それが本当だとしてもティッシュ咥えて重曹を耳掻きの綿の部分に付けてポンポンしている稔を見て不安を覚える。


「それにしてもどうしよ、ミルフィが倒れているから次はどんなコスプレや動画を配信するのか打ち合わせ出来ないよ」

「配信ってチューバー活動してるんですか?社長さんから貰ったって言ったのでキャバクラで働いているのかと」

「働いてるよ今日は同伴出勤予定、それよりも前にミルフィと一緒に活動していたから続けているの大空大吉って名前でやってるの!」


そう言われ莉子はスマホを取り出し大空大吉と入力して動画を見る。

顔は隠しているがこの過激なコスプレをしているのは間違いなくルジェリスだ、と分かる。

だってこのオッパイと動画のオッパイ同じだもん!絶対このオッパイ目当てみんな見てるよ!


稔の家にユーリ達のような美少女達が一緒に住んでるだけでも不安な気持ちでいっぱいなのに、ルジェリスのような美女が稔の周りに現れて莉子は焦りを覚えた。

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