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一般人の気持ち

ミルフィと融合した莉子、それを見てユーリとアンリは直ぐさま莉子の元に駆け寄った。

「莉子なんてムチャな事を下手したら廃人になるとこだったんだよ!!」

「ここはボクらに任せてセレーナの所に戻って!」


妖精との融合のリスクもあるが日頃から戦うための訓練をしてミルフィと融合した稔がボロボロになったのに女優の莉子が相手になる訳ない。

そう心配する2人に莉子は言う。

「こんな状況で只守られるなんて出来る訳ないでしょ!!」


ユーリとアンリはサクラに遊ばれているし稔は瀕死の状態、このままだと只食べられるのを待っているだけだ。

廃人になるかもしれないけどミルフィと融合して魔法使えるようになって2人と一緒にサクラと戦った方が勝率が上がる微々たる勝率アップだろうが死にたくない最後の最後まで諦めない。


「それに私は廃人にはならないと思うから」

ユーリ達の世界では妖精と融合出来ても廃人になるが、マナが多く濃い日本に生まれ育ったから稔は妖精と融合出来る器が出来上がっている、なら同じく日本生まれ日本育ちの莉子も大丈夫なハズ!そう思い莉子はミルフィと融合した。


「そして何よりも稔を殺したアイツを許せない!」

涙を浮かべ莉子はサクラを睨んだ。

「ハァ…ハァ…まだ…死んでない!」

地べたに這いつくばっている稔が勝手に死んだ事にした莉子に声を振り絞ってツッコミを入れた。


「ですがこのままだと本当に死んでしまいます!」

気絶している2人にバリアを張り直しセレーナは稔の元に駆け寄りケガの手当てを始める。

「…ごめんなさい、今の私ではこの毒を解毒出来ません」

大粒の涙を流しながらセレーナは言って来るその姿を見て稔は悟った。

自分はもう助からない程の毒をサクラに注がれたのだと、確かに呼吸をするのがだんだん辛くなって来て視界もボヤけて来た。


「ハァ…ハァ…セレーナ泣くなって、ハァ…ハァ…こうなる覚悟はあった」

泣いているセレーナの手を握り締め気にしないように言う。

「ハァ…ハァ…あと悪いんだけど上体を起こしてくれない、ハァ…ハァ…みんなの戦い見た」

毒であまり体に力が入らない上に左手が無いから上体を起こすのも大変なのでセレーナに手伝ってもらう。


「無理せず寝ていた方が良いですよ」

「ハァ…ハァ…寝てると辛いハァ…ハァ…だから上体起こしてみる」

そう言うとセレーナは納得してくれて上体を起こすのを手伝ってくれた。

「どうですか?」

上体を起こして呼吸が楽になったが喋るのも辛くなったので稔はセレーナに頷いて答える事しか出来なかった。



「さて話しは終わったようじゃな」

無防備に話していた3人の会話が終わったようなのでサクラは話し掛けて来た。

話している間に攻撃を仕掛けても良かったのだが、圧倒的な力があり人をいたぶる事が好きなサクラは次はどんな作戦や攻撃をするのか楽しみに待っている。

待っていた理由は自分達が考えた作戦や攻撃が撃ち破られた時に絶望する顔が見たいからだ。


「ええ!もういいわ!!」

莉子はサクラの前に立ちはだかったがその足は震えている。

無理もない自分より遥かに大きく異形の姿をしたオオグモ、そして幼なじみである稔を見るに絶えない無惨な姿に変えたヤツを目の前にしているのだから。


「ハッ!!」

莉子は大きく右腕を振り上げた。

すると氷の刃がサクラに向かって飛び出し、ユーリが何度も切り付けて傷1つ付かなかったサクラの足の1本が切断された。

「「ウッソ~ン!!」」

ユーリとアンリは間抜けな顔して驚いてしまった。


「ギャアァァァ!!」

前足が切断され激痛が走りサクラは悶えた。

そして莉子は今度は頭上に巨大な雷の槍を作り出した。

「まだまだ!!」

莉子は雷の槍を放ちサクラの体を貫いた。


雷がサクラの体の中で暴れ感電する。

その時雷が飛び散りみんなに当たりそうになったが莉子が氷の壁を作り雷を防ぐ。

「ぐっ!お前!」

相当ダメージを受けたようなのでサクラはふらつく、だが莉子はそんな事お構い無しと言わんばかりに新たな魔法を使う。


サクラの頭上と横に光の球体が現れる。

「…せっかくだから名前付けよ、グランドクロス!!」

そう言うと頭上と横にあった光の球体がサクラに攻撃を放ちクロスして十字架を作りだす、そしてまともに喰らったサクラは倒れた。

「あれ?勝てた?」

莉子はあっさり勝ててしまい拍子抜けした。


「…アンリ」

「うん」

ユーリとアンリは悟った。

莉子の魔法は山も簡単に消し飛ばせると。

サクラに本気で魔法を放ったのだろうが、室内だから無意識にセーブしてあの威力に押さえたのだと、稔は下位の術しか使えないが莉子は上級の術が使える、莉子には魔法のセンスが有るのだろ。


サクラは一個師団で挑んでも倒せない相手、日本に来てパワーアップしたのにそれを莉子は1人で倒してしまった。

そしてユーリとアンリは異世界物の、主人公の魔法の凄さに驚く一般人の気持ちが良く分かった。

やっぱりここは王道で「あれ?何かした?」とか莉子に言わせるべきでしたかね?

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