後悔
「イセカイアンナイですが椿さんは異世界に行ったら何がしたいですか?」
「そうですね特にありませんね、異世界行ったら今居る友達と別れてしまいますから」
「いや!ここは何かボケた方が良いぞ!そうだなここは現代知識使って商品作って売って大金持ちになりたいって言っとけ」
莉子のあまり面白くない発言に大和がダメ出しする。
「あ~それね、でもアレって実際やっても上手くいかないと思うの」
かつてミシンの原型を作った人は女子学生数人と雑巾の早縫い勝負をした、女子学生達は手縫いその人はミシン、当然ミシンに敵うはずなく女子学生達は惨敗そしてその人はミシンを壊され町を追放された。
ミシンと言う衣服を縫う便利な物を作ってこんな酷い事が起きるのに異世界物みたいに色々作って売ったら魔女狩りにでも合いそうだ。
「真面目か!そこはバカな事言うくらいがちょうど良い」
バラエティーなんて出た事無いくせに大和はいっちょ前に莉子にダメ出しをし続けた。
莉子と大和でバラエティーの特訓しながら奥に進んでいるとユーリがキョロキョロし始め様子がおかしい事に莉子は気づいた。
「どうしたのユーリ?」
「もしかして怖くなったのか」
心配そうに聞いて来る莉子とからかいながら聞いて来る大和、それに対してユーリは。
「大丈夫、只ちょっと落ち着かないだけ」
ユーリは昔討伐に行った時の事を思い出していた。
魔物を狩るために森に行ったはずなのに自分達が狩られる獲物になった時のようなあの時を。
「だったら引き返す?気分悪くなったのならムリする事無いよ」
ユーリを心配し引き返す事を莉子は提案した。
「え~折角ここまで来たんだからもうチョイ行こうよ!」
別にユーリは体調が悪い訳じゃないし莉子のバラエティー特訓のためにも大和は先へ進む事を提案してくる。
「ちょっと大和!もしかしたらユーリは自覚無いだけで体調崩しかけてるかも知れないんだよ!無理させちゃ悪いでしょ!」
ユーリの体調が悪いかも知れないのに先に進みたがる大和を莉子はちょっと怒りながら制した。
「良いよ行こ別に体調が悪い訳じゃないから、たぶん気のせいだから」
いくら廃墟の病院で少し不気味だからってここに魔物でも居るはずがないんだから、そう思いユーリも先に行く事を提案した。
「本当に無理しないでね辛くなったら直ぐ引き返すから」
「ありがと、でも本当に大丈夫だから」
心配そうにする莉子に体調は大丈夫だとユーリは答える。
「だったらあの先行って写真撮ったら戻ろう、俺も無理させたい訳じゃないし」
大和も別にユーリがどうでも良い訳じゃ無いのでその先で終わらそうと伝える。
「ごめん、たぶん大丈夫だと思うから」
ユーリの言う大丈夫は体調の事ではなくこの先に危険は無いと言う意味で言っている。
ここは安全な日本、自分のいた世界ではないからこの不安は気のせいだ!そう思って先に進む、だがその考え方が良くなかった素直に自分の直感を信じて戻れば良かったと数十秒後に気づいた。
突然自分達が来た道の天井が崩れお尻が人の顔になっている大きなクモ達が現れた。
「タスケテ~」
「タスケテクレ~」
そのお尻の顔からは苦しそうに助けを求めて来る、そしてユーリは理解したこの廃墟病院には魔王幹部のサクラが居る事に、そしてどうして違和感を感じた時に2人に引き返そうって言わなかったを後悔した。
「な!なんだよこの気持ち悪いクモは!!」
「し、知らないわよ!私に聞かないでよ!!」
不気味なクモが大量に現れ取り乱す2人。
「タスケテ~」
「タスケテクレ~」
ジタバタしている間にクモ達がジリジリと近づいて来る。
「こっち!急いで!」
元の道崩れて戻れないのでユーリは先に進むように言い3人は走りだし奥に進んだ。
進むと広い場所になったそしてそこには大量のクモ達がいた、そしてそのクモ達は糸でグルグル巻きにされ倒れている人間達を食べていた、どうやらこの場所はクモ達の食堂のようだ。
クモ達が人間を食べてる姿を見て大和は気絶し倒れてしまった。
「大和!!」
「こんな時に!」
ユーリは急いで大和を肩に担いだ。
こんな所で気絶するなんて正直迷惑、だから置き去りにでもしたかったが一般人だしそして今や友人、置いて行く事はできない。
「キャ!」
クモ達が襲い掛かり悲鳴をあげる莉子、ユーリはブレスレットから剣を取り出しクモ達を切り伏せる。
「え?え?」
突然不気味なクモが現れそしてユーリが剣を持ちクモを切り倒す、そんな光景に莉子は段々混乱し始めた。
「うっ!」
気絶した大和に肩を貸して莉子を守りながら戦うユーリ、そんな状態はとても厳しくクモに脇下を噛まれケガをしてしまった。
「大丈夫!ユーリ!え?」
脇下を噛まれたせいでサラシが緩みユーリの胸は大きく主張していた。
「どうゆう事?」
不気味なクモに襲われる、今日会った美少年は剣を持ちそのクモと戦う、そしてその美少年は実は美少女だった。
色々有りすぎて莉子は完全にキャパオーバーを起こした。
「危ない!!」
莉子はクモに襲われそうになったが思考が停止して動かなくなってしまいユーリは咄嗟に莉子を自分の元に引き寄せた。
「あ~これはもうダメかな」
クモ達に囲まれ大和は気絶し莉子も放心状態そして自分はケガ、とてもじゃないが助かる気がしない。
そしてクモ達は一斉にユーリ達に飛び掛かった、その光景を見てユーリは静かに目を閉じた。
「あれ?」
食べられる事を覚悟したが体は痛くない、目を開けて見ると自分達を光の壁に守られてクモ達に襲われなかった。
これはバリアこの術を使える人物をこの世界でなら1人だけ知っている、そしてその人物はあの人達とも行動している事も知っている。
「ユーリ!莉子!大和!無事か!!」
その大声が聞こえると共にクモ達は焼かれ潰された。
このピンチにやって来てユーリは涙を流しそうになった、だが涙をこらえ声のした方を向く。
「うん!大丈夫だよ!」
そしてそこには稔達が居た。
ピンチになったら駆け付ける、ありきたりだけど何か良いです。




