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芸能人オーラ

莉子のバラエティー強化のため、イセカイアンナイと言う胡散臭いサイトから指定して来た場所に向かう。

そしてユーリ達4人は思う『どうして異世界に行きたいのだろ』と。

日本に来てから4人はその凄さに驚きの連続、治安は良いし電車やバスと言った交通機関に数々のグルメ等々と色々有りすぎて何にどう驚いたのか説明出来ない。

これだけ発展して安全な国を捨ててまで危険な異世界に行きたいのかユーリ達は正直理解に苦しんだ。


「はぁ~」

近くに居た千樹が小さく溜め息をしていたのでユーリは気になって話し掛けた。

「どうしたの千樹?溜め息なんかして」

「ユーリ」

声を掛けられユーリに気付き振り向く千樹、その顔を見ると元気が無い事が分かる。


「異世界転移って憧れる物なんでしょ?千樹は違うの?」

今日会ったばかりだけど千樹はかなり不幸な人だと分かった、だから異世界転移とか1番憧れていると思っていたのにテンションが低い。

「そりゃ憧れるよ、アイツら見てたら」

千樹の目線の先には稔と莉子と大和の3人がいた。


「街歩いていたらスカウトされてモデルになって今や国民的女優になった女子、強豪中学で1年の頃からレギュラーそして強豪高校でも1年でレギュラーなり甲子園球児になった男子、こんなヤツらが居るんだ憧れない訳がない」

才能に恵まれ周りから評価されてる2人、今日の同窓会には来ていないが2人と同じ位に才能に恵まれた人達がまだまだいる。


「稔だってそうだ、俺と同じ位低レベルの高校行ってるけどアイツも天才だよ」

中学時代の稔の学力は中の下程度だったのだがIT社長を目指してからは学力が上がり、今は進学校に進学し稔と同じ塾に通っている小春と英語以外なら同じかそれ以上そして身体能力も強豪校でスタメン張ってる大和と同格と言って良いレベル。


「それに比べて俺は本当にレベルが低いからあんな学校通ってるだけ、そりゃ異世界行ってチート貰いたいよ」

悲しい顔をしながら千樹は語る。

ルックスは自己批判で中の上で運動センスは中の中そして学力は下の上くらい、そんな自分のスペックの低さに千樹は絶望している。

前に稔に「この国家資格は簡単に取れる」と言われ受けてみた危険物乙四の試験も今3回も落ちている、しっかり勉強してはいるのだが不幸なせいか後1·2問正解すれば合格と言う形でいつも落ちている。

だから同じように低レベル高校通っているのに、いくつもの国家資格を持っている稔が羨ましく妬ましくもあった。


「話し聞いていると千樹はあまり異世界行きたくないみたいだね」

「何でそうなる?」

千樹はしっかりと異世界に行きたい言ったのにユーリが行きたくないと言って来たので聞き返す。

「いやだって聞いてたら千樹は3人に憧れているみたい、だからどちらかと言うと異世界行くよりもチートの方に憧れている感じ有るから」


ユーリの感想を聞いて千樹は確かにそうなのかもしれないと思った。

自分は異世界に行きたいのではなくチート能力が欲しかったのだと、あの3人みたいな確かな才能そして莉子や大和みたいに周りから評価される人になって自分も自慢出来る友達になりたいのだと千樹は思った。


「立派だよ、あんな風になりたい訳じゃ無いんだから」

そう言ってユーリの見ている方を千樹は見た。

「夏蓮、怖いの苦手でしょ無理なら無理って言えば今からでも別の場所にみんな行くと思うよ」

「べ別に、こ怖がって無いし!」

「そう言って広司君、自分が怖いから夏蓮ちゃん怖がってるの良い事に季節外れの肝試し回避しようとしてるんでしょ」


そこでは広司と英里と夏蓮の3人がイチャついていた。

その光景を見た瞬間に千樹は稔達3人に抱いていた感情が塗り潰され、どす黒い感情と敗北で心がいっぱいになった。

今は2人だけだか普段は美女な先輩や可愛らしい後輩も広司の周りには居ると考えると今の自分が惨めなって仕方ない。


「やっぱりここは俺の居る場所じゃない俺の居場所は異世界にある!」

「…突然稔みたいになるの止めてくれる」

時々広司のモテモテぶりに稔はぶつくさ不適腐れる、そんな姿が稔と良く似て類友と言う言葉がユーリの頭に浮かんだ。



目的地の廃墟の病院に着き想像以上に不気味で来た事をちょっと後悔した。

「何で山奥に病院建てたんだろ余計に不気味なんだけど」

夏蓮が雰囲気に呑まれしおらしくなってしまった。

「やっぱり帰る?」

「ううん!ここまで来たからには居るよ!」

夏蓮が腹を括ったようなので季節外れの肝試しを開始する事にした。


そして莉子がメガネとシュシュを取ってテレビや雑誌に載っているような姿になった。

「莉子どうした?メガネとか取って」

「みんなは肝試しだけど私はバラエティー強化のため来てるから撮影してる感じ出そうと思って」


大和の疑問に莉子が答え納得する、そして稔の両袖をアンリとセレーナが摘まんで引っ張って来た。

「どうしよ稔、芸能人だよ芸能人が居るよ」

「芸能人オーラも凄いです!」

2人が椿リコになった莉子に静かにテンションを上げた。


それにしてもオーラって何だろう?俺にはちっとも見えない、莉子が只メガネとシュシュを外しただけで良くそんなにテンション上がるな。

そんな事を考え、莉子のバラエティー強化のためのイセカイアンナイを調べる事と季節外れの肝試しを開始した。

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