知ってる?
「次は俺の番だな」
大和がマイクを持ち場所を移動した。
「そう言えば莉子には恋人は居ないの?」
アンリが莉子に馴れ馴れしく聞いて来た。
「突然どうしてそんな事を聞くんですか、…私も気になりますけど」
「この同窓会って長年の幼なじみが恋人が居たのに言ってくれなかった事が原因で開催したかもう1人の幼なじみの方はどうかなって」
「あぁ確かに、莉子どうなの?大和に彼女が居た事しって稔家じゃ面倒くさくなったから今ここで白状した方が稔の怒りも最小限で済むはずだから良いんじゃない」
そう言って3人が莉子を見て来る、その圧力に莉子はたじろいた。
「そんな事しなくても俺は莉子の恋人知ってるよ」
稔の発言に3人は今度は稔を見て聞いて来た。
「稔知ってるの?!」
「誰々?!」
「あのみのるが友達に恋人が居て発狂も怒り狂う事もなく受け入れているなんて!」
リュックの中に居るミルフィが失礼な事を言って少しイラっとした。
「あれ?今聞き慣れない女性の声が聞こえなかった?」
ミルフィの声に莉子が気づき回りをキョロキョロし始めた。
「俺のスマホからだな、喋って欲しい言葉を言ってくれるアプリとか有るだろ!」
そう言うとリュックからまた声が聞こえた。
「あたし今年結婚したての新妻!でも旦那は単身赴任で今は家に1人、とっても寂しくて身体がムラムラしちゃうの♡」
ミルフィが妙な事を言って誤魔化そうとし、みんなが白い目で俺を見るってかユーリ達は声の主はミルフィだって知ってるでしょ!そんな目で見るな!
「今時のアプリ凄いよな!こんな長くて妙な文も読んでくれるんだから!それはそうと莉子の恋人だったな!」
「あっ!そうだった教えて!」
莉子の恋人と聞いてみんなそっちを気になりだす、どうやら誤魔化し切ったようだ。
「莉子の恋人はね、……ファンのみんな!」
そう言うとみんな白けた。
「なんだ結局稔も知らないんじゃん」
「仕方ないでしょ稔なんだから」
確かに俺は莉子の彼氏見た事も聞いた事も無いけど、その言い方は酷くない。
莉子は右を見ても左を見ても美男美女が居る芸能界に居るんだし今はきっと何処かのイケメン俳優と付き合っているんだろ、一般人の俺に話してバレてスキャンダルなったら大変だもんな。
それにしても莉子に彼氏か、小学生の時に女子同士でどれだけHな言葉知っているかスマホで勝負していたのだろ、そして間違えて俺の方に送り『フェ○チオは知ってる?』とメッセージを送ってしまい30分もしない内に莉子が俺の家にやって来て「私のために死んで」とバット構えた時は恐怖したものだ。
とりあえずあのメッセージは誰にも言わないって事でどうにかその場を納める事が出来た。
そんなメッセージを送った莉子も今やそのメッセージの内容の事をする相手が居るんだなと思うと何だか悲しい気持ちが生まれた。
「ヒッ!!」
突如背中に悪寒が走ったと思ったら莉子に両ほっぺを捕まれ俺の口はタコ状態になり莉子と見つめ合う常態になった。
「稔今いけない想い出思い出してなかった?」
笑顔だけど目が全然笑っていない莉子が問い掛けて来た正直怖い。
「いいふぇおもいだしゅていまふぇん」
女の勘鋭!ってか莉子の場合は俺の心読んでないか?
「心は読んでないよ稔が分かりやすいだけ」
やっぱり心読んでるだろ!!蛇に睨まれた蛙とはこの事を言うのだろ逃げたいけど怖くて逃げられない。
「やっぱり2人とも仲が良いですね」
セレーナの一言を聞いた莉子はセレーナの方に顔を向けその一瞬莉子の手の力が緩み俺は脱出した。
「じゃあ俺の曲まで時間あるからお花を摘みに行ってくる!」
自分の番までかなりあるので俺は部屋から出て行った。
決して莉子が怖くてチビリそうになったからトイレに行くのではない。
「あっ!逃げられた!」
悔しそうに稔が逃げた扉を見る莉子、でももういなくなったのでセレーナ達と話をする事にした。
「仲はそれは良いですよ、幼なじみなんですから」
小中学生時代はこんな事が日常茶飯事で莉子は当然のように答えた。
「それはそうなんだろうけど、芸能人だから稔とは関わらない方が良いよとか回りの人が言って来なかった?」
「…あなた達も稔とは関わるなとか言うの?」
そう言って莉子の目付きが鋭くなった。
無理もない今まで莉子は色んな人に稔とは関わるな関係を断った方が良い等と言われて来たので似たような事を言ったユーリ達を不愉快に思った。
「あぁ!別にそう言う訳じゃないんだ、只そう言う事言われていると距離置いたりするものだから凄いなって!」
「なるほど、そう言う事」
自分と稔との関係を悪く言ってる訳ではない事に気付き表情は元に戻った。
「そうね言って来る人は多かったわね、あんなのと付き合っていたら品格が下がるとか自分に害しかないヤツは切り捨てた方が良いって」
「それで莉子はどうしたのですか?」
「勿論忠告を聞いてその人達を切り捨てたよ」
人を簡単に切り捨てろとか言える人なんて信用出来ない、どうせ仲良くしていれば自分の好きな芸能人に会えるとか自分も芸能界デビュー出来るかも知れないって考えて近づいている人達、だけどテレビや雑誌に載らなくなったら離れて行くような人達と仲良くしても意味がない、なら本気で応援してくれる稔をえらぶのは至極当然の事。
ちなみに稔は「リコに近づくな」「お前が居て迷惑している」等と色々言われていた。
大和達3人は2年になる前にレギュラーになったり全国で活躍したり、莉子はモデルだけではなく女優としても活躍していて、それなのに稔は雑務ばかりの日々でみんなに劣等感を抱き初めて距離を取り初めていたのだが、周りが莉子達に近づなと言われ続け距離を置くのはソイツらの命令を聞いたみたいでムカつくので、莉子達にガンガン話し掛けて疎外感なく中学時代を過ごした。
「でも莉子が小学生の頃はあんな少年みたいな姿とは驚きでした」
「そうだね!物語なら昔男の子だと思って遊んだ幼なじみは実は女の子で、美少女になって再会って話有るけど現実はそうはならないね!」
セレーナとアンリはスマホで見せてもらった小学生時代の莉子と今の莉子を見比べたらそんな感じのマンガの展開が思い浮かんだ。
「確かにね中学が別々だったら有ったかもね!でもそもそも私の名前女の子らしい名前だから気付かない訳が無いけどね」
そう言う作品だと男の子も女の子でも使うような名前が多い、そんな感じの話をして4人は盛り上がった。




