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必死だったからね

全員投げ終わり稔達を待っていると1人の女性がやって来て声をかけて来た。

「あの~もしかして何ですけど竹中大和君ですよね?」

「はい、そうですが?」

名前を訪ねられたので大和は返事をする、すると女性は嬉しそうな顔になり。

「やっぱり!ファンです!」

そう言って女性は大学ノートを取り出した。

「今サイン色紙持ってなくて、このノートにサイン良いですか?」

「構いませんよ」

大和は手慣れた感じでノートにサインを書き始めた。


「凄いですね、サイン求められるなんて」

「まだ大会始まってないのにサイン求められるなんて、本当にあの人は野球ファンか大和君のファンなんでしょうね」

英里の考え方にセレーナは納得する。


「今日はオフの日何ですか?」

「はい、今日はオフなのでこうして友達と一緒に居るんです」

サインを書き終わり渡しながら大和は答えた。

「そうなんですか、では長く居ていけませんね私はこれで、サインありがとうございます、そして野球頑張って下さい!」

そう言ってサインを求めた女性はこの場を後にした。


「それにしても大和、お休みの日じゃなくてオフの日って言うなんて、もうプロ選手気どり?」

今日はオフの日なのか聞かれオフの日と答えた大和を広司は弄り始めた。

「良いだろ!ちょっとはカッコ付けても!」

口を尖らせながら大和は反論した。


「それにしても2人ともゴメンね」

後ろから英里が突然謝って来たのでセレーナとアンリは振り返る。

「ゴメンって何が?」

「莉子ちゃんの事、アンリちゃんとセレーナさんって莉子ちゃんのファンなのに今日来る事教えてなくて」

「稔に3人には黙っていて言われちゃって僕ら」

広司と英里に、稔が自分達に莉子と友達だった事を内緒にしていた事を教えてもらい、アンリはフツフツと怒りがこみ上げて来た。


「でも怒らないであげてね、稔君アンリちゃん達のために内緒してたの」

自分達のため?意味が分からず2人は首をかしげた。

「合わせてって言ってもそう簡単に合わせられないし、今日も莉子が来るの知っていたけど仕事とかで来れなくなったらショックでしょ」

確かに莉子に今日の同窓会で椿リコが来る事を知っていて、来れなくなったとか聞いたら相当ショックを受けてしまう事は確かだ、そう考えればこれは稔なりの優しさなのだろ。


「でも本命は、実は椿リコと友達でした!って事を同窓会で教えて、どんな反応するかを見るために稔は黙っていたんだろうけど」

実際は広司の言う通り、稔は3人がどんな反応するか楽しみだったので黙っていただけなのである。


「多分それだね!よし!今度稔がパスタ食べる時タバスコまるまる1本かけてあげよ」

アンリは稔へのリベンジを心に刻んだ。


「食べ物を粗末にしない、この写真見て機嫌治して」

そう言って英里はアンリとセレーナに自分のスマホ画面を見てた。

「こ、これってもしかして?!」

「気付いた」

アンリとセレーナは画面に釘付けになった。

何故なら写っているのは小学生時代の莉子だからだ。

今とは違い髪は短く美少女と言うよりも美少年感じ分かりやすく言うとジャ○ーズ系であった。


「こ、これは稔ですか?可愛いです!」

スライドしながら見ていると稔達も写っている写真しんも出てきた。

写っている莉子よりも頭1つ分背が低くて、あどけない顔した稔にセレーナはキュンキュンした。


見ているうちに今度は中学生頃の写真になった、だが中学時代の稔は笑顔よりも険しい顔の方が多くなってきた。

「この頃の稔、レギュラーなるため必死だったからね」

稔が写っている写真を見るたび心配そうな顔をするセレーナとアンリを見て大和は理由を教えた。

「だからこそこの時の周りの態度は許せない物があったよ」

広司が珍しく不愉快な顔して言って来た、周りを見ると他のメンバーも同じく不愉快な顔をしていた。


「何かあったんですか?」

聞き返すセレーナ、だがプライバシーの関わる事なので広司達は話すか話さないか悩んだ。

「別に良いぞ話しても」

トイレや飲み物買いに行っていた稔達が帰って来た。


「本当に良いの?」

「特に知られて困る事でもないし」

そう言って稔は元のイスに座った。

「確かに困る事じゃないよな、中学時代に作詞した詞の内容を話される事なんてて」

千樹が見当違いな事言って来た、どう見たってそう言う事話す雰囲気ではない。


「そもそも作詞なんて俺した事ないから!」

「中学生が初めて作詞した曲名ってだいたいパーフェクトラブとかエターナルラブって付けるって聞くけど稔はどっち?」

確かにそんな感じの曲名で「こんな詞書いたんだけど、どうかな?」とか言って来て見せられた事あったけど、どれもどう評価すれば良いのか分からない詞ばかりだった。

「2人が話してる間にユーリ達に話したからね」

俺と千樹がバカな話をしてる間に広司達が中学時代の話をしたようだ。


話しの内容は中2の頃の事だった。

莉子がモデルとして順調に活動していたある日ドラマの話しが舞い込み実演したらそのドラマが人気が出て莉子はその自然体な演技を評価され注目の新人女優となり学校で知らないヤツはいない程になった。

だからそんな莉子気に食わないヤツも現れ始めた。


そこで莉子と仲が良い稔と言うと幼なじみを彼氏だと噂されるようになった。

だがこれはただの莉子を侮辱やバカにする為に稔を彼氏と言いふらした。

大和達3人は野球部で活躍してる中、稔は雑用ばかりで遅い時間まで個人練習する姿は滑稽のように見えたようなので莉子の彼氏って事にして莉子をバカにしていた。

だからそんな事をする連中を広司達は注意しそれにムカつきケンカになったりした事をユーリ達に話したようだ。


「酷い話しですね、頑張ってる人をバカにするだけではなく笑い者にするなんて」

セレーナが同情全開の顔で俺を見て来た。

あの時は本当に悔しかったな、成果を出せない自分がバカにされるのはともかく頑張って成果を出した莉子を自分を使ってバカにされた事、だからこそ莉子が俺と一緒に居ても笑われない為にもあの時はより一層練習に励んだ。

「ありがとなセレーナ俺達のために悲しんでくれて」

稔は悲しい顔をするセレーナの頭を撫でた。


「ところで稔、作詞したノートとかは家にまだ置いてあるの?」

アンリは稔が作詞した詞も気になり訪ねる。

稔は詞は書いて無い事を伝えた。

まったくセレーナの頭撫でたとこで終わっていれば良い雰囲気だったのに!そう思う稔だった。

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