松竹梅
「って事があって同窓会やるんだ、良かったらみんなも来る?」
夕食を終えて昼間にあったやり取りを語り稔はみんなを同窓会に誘ってみた。
「…恋人が居た事を内緒にされて怒っていたのに何故そこから同窓会をする事になるのですか?」
セレーナが同窓会をやる理由に納得出来ず聞いて来るので答えて上げる。
「内緒にされて怒ってはいるけど久しぶりに会えた事の方が勝ってな、そしてなんだか急にみんなに会いたくなって同窓会やろ!ってなった」
「まぁそれが内輪ノリと言う物なのでしょうかね」
まだ少し納得仕切っていないが内輪ノリと言う事でセレーナはとりあえず納得した。
「実際本気で怒ってる訳じゃないからな」
「そうなの?結構本気で怒ってると思ってた」
英里の家でのやり取りを知ってるユーリは稔の言ってる事を疑った。
「もし俺が本気で怒るなら、…実は俺アイツの事が好きなんだ!でも他のヤツには言うなよ親友のお前だから言うだからな!…みたいなやり取りして俺の好きな女子と付き合っていたら許さなかったな」
そんな事があればきっと今ごろ俺は大和の顔を拳で整形していただろ。
「あたしそれ知ってる、寝とりって言うんでしょ!」
稔の頭の上に乗っているミルフィが自分はそんな事も知っているんだぞとドヤ顔で言って来た。
そもそも大和はそんな事するヤツじゃないし…………たぶん。
「それで、みんなは来るの?」
「どうしようかな、一応同窓会だから行っても邪魔になりそうだし」
テレビを見ながらアンリが行くか行かないで悩む。
「同窓会って言ってるけど只の遊びの誘いだから迷惑にはならんよ、ボーリングしたりカラオケ行ったりするだけだぞ」
「カラオケ!カラオケ行くの?!」
アンリがこっちを振り向き目を輝かせて聞いて来た、アンリってカラオケ好きだったのか知らなかった。
「今日はももにカラオケにも連れて行ってもらって、アレ凄いねわたしでもなんだか歌姫になった気分になれるよ!」
アンリは今日最上と遊びに行ってどうやらカラオケが気に入ったらしい、今もエアマイクで鼻歌交じりで歌っている。
「あたしは行く!」
「そうですね、お邪魔でないのでしたら私も」
ミルフィとセレーナは参加が決定した。
「ボクも行くよ稔の中学の頃の友達がどんな人か気になるし」
そう言えばユーリは参加するかしないか聞いてなかったな、英里の家で話していてすでに参加するつもりでいた。
「わたしも参加!それまでに歌のレパートリー増やしておくね!」
アンリも参加してくれるようだ、でもアンリ必ずカラオケに行くとは限らないからあんまり期待するなよ、まぁ歌が下手で歌いたくないアイツが来ない限りカラオケには行くだろう。
「それにしても命狙われるのに呑気に同窓会をやるなんて、みのるの心臓には毛が生えてるの?」
「あはっはっは!何を言ってるんだミルフィさん?ここは夜の町を女性が1人で歩いていても安全な日本だよ、命を狙われるなんて物騒な事あるわけないじゃないか」
ミルフィが稔をからかった一言で4人とも気まずくなった。
本来稔は家に住まわしてくれるだけで一緒に戦うつもりは無かったのだから、それなのにちょっとした意思疎通のミスで稔は魔王の幹部に命を狙われる事になった。
だから今稔は現実逃避中だと4人は気づく、そしてユーリ・セレーナ・アンリがこの空気を作ったミルフィを見てなんとかしろと目で訴えた。
「み、みのる!今日あった友達ってどんな人?卒アル持って来るから教えて!」
ごまかすためにミルフィは稔の頭から離れ卒業アルバムを稔の部屋から取りに行こうとした。
「取りに行かなくていいよ、ってかなんで置いてる場所しってる?!」
コイツ人の部屋勝手に物色しているな、後でしめるとして俺はリモコンを取って録画していた番組を再生する。
「あっ!」
勝手にテレビを操作してアンリに睨まれる、何故ならテレビのバラエティにアンリの大好きな椿リコが番宣で出ていたから仕方がない、でも大丈夫ちゃんと録画してるからアンリ。
「コイツが大和だ」
テレビには左中間に打ちツーベースヒットを決める男が映った、この男こそが大和だ。
「え!これって甲子園の映像だよね?って事は大和って人甲子園球児!」
ユーリがテレビを見て驚く、当然だなんせうちの中学の野球部は全国常連の強豪、大和はそのチームの主力の1人だったしそして今は埼玉の強豪高校に進学して1年からレギュラーになった。
ポジションはショート鉄壁の守備を誇っていたし打撃は粘り強いバッティングで中学の頃からチームに貢献していた。
「稔そんな凄い人と幼なじみなんて凄くね」
「甲子園球児は大和だけじゃないぞ」
うちの中学の主力は3人そのうちの1人が大和なので他の2人が出てる試合を見せて説明する。
まずは梅上翔馬幼稚園で知り合い中学で再会したヤツだ、センターを守っているだけあって足は速いしかも翔馬は肩が強くレーザービームでホームでのアウトによく貢献していた。
そして松下葵小学生の時知り合い俺と大和との3人で少年野球チームに入りキャッチャーをやっている、小学生の時から大きく今は197センチありゴツい身体でホームに突っ込んで来る選手から守り、相手ピッチャーのクセを見抜き球種を見破ったり、バッターを見てどんな玉が苦手かも見抜きリードするキャッチャーだった。
そしてその3人の名字の頭を取って松竹梅トリオと呼ばれた、だがこの呼ばれかたを3人はとても嫌がっていた。
「そんな人達が来るんだ楽しみ」
急な開催だから来れるかどうかは分からないけどな。
「あたし達の部屋に夜這いに来なくて、高校球児の出ているヤツを録画しているから男色趣味なのかと思ったけど友達だったんだね」
当たり前だそんな趣味あるか!本当に失礼な妖精だなネットオークションで一万円くらいで出品するぞ!
それにしても懐かしい、あの3人と一緒にプレイするため雑務が終わったら遅くまで自主トレしていた。
「稔どうしたの!?突然泣いて!」
「え?」
稔は昔を思い出し悔しさで泣いてしまった。
中学時代、吐き出したりオーバーワークしてまで練習したがベンチにも入れず終わった中学野球、本当なら稔は高校でも野球をするつもりだったが受験失敗して今の高校に進学、評価の良くない学校で野球部も無かったが、それで良かった野球を辞めるいい機会になった。
「何泣いてるんだろな俺」
何一つ報われず過ごした日々、だからこそあの日死んで女神に会った時は自分もチートで異世界転生だとテンションが上がったが、毎日何万の命が生まれ死ぬ中の1つの命でしかないからチートや異世界も無いと分かった時は絶望した、自分の人生って何の意味が無い事に。
「おわ!」
突然セレーナが稔を抱きしめた、そのため稔の顔はセレーナの豊満な胸に埋もれてしまった。
「大丈夫ですよ稔、稔は男色では無い事は分かってますから」
「みのるごめんなさい、ふざけ過ぎたよ」
ミルフィが申し訳ない顔をして謝って来る、どうやら俺が男色家と言われて泣いてしまったと勘違いしたようだ。
だからと言って泣いた理由を話すのも恥ずかしいし何よりも、今はセレーナの包容を楽しみたい、と思ったのだがセレーナの様子がおかしい、腕に力が入り自分の胸を稔の顔にさらに押し付け少し息使いが荒くなってきた。
(どうしたんでしょう私、泣いている稔を見たら抱きしめたくなって抱きしめたら何だか胸やお腹の中が熱くなってきました)
セレーナ無意識は稔にキスされ押し倒されたあの日から性に目覚めた、今も無意識に太ももを擦り合わせていた。
稔何かしらの危機を感じセレーナから離れた。
「俺部屋で勉強するよ、お前らも明日学校だから早く寝ろよ」
そう言って稔は部屋に逃げた。
「アンリ今日はあたし達の部屋で一緒に寝ない?」
「う、うんそうする」
セレーナを見て今日の夜は1人にしてあげた方が良いと3人は悟ってセレーナを1人にしてあげた。
その日セレーナは自分で自分を慰めると言う事を覚えた。
ユーリとミルフィ
セレーナとアンリ
部屋割りはこうなっています。




