穢れの無い瞳
朝がやって来た。
いつものように広司に美少女4人がまとわりつきその後ろを稔が歩く、ただでさえ受験失敗して行きたくない学校行くだけでもストレスなのにこの光景で更に憂鬱になる。
俺も居るのに広司達5人だけの世界を作り俺はいつも孤独を感じていたが今は違うユーリ達が一緒に登校してくれる、もう1人じゃない!
「あっ!ゴメン靴ヒモが先に行って」
「いいよ待つよ」
「そうですよ」
「靴ヒモなんて直ぐ終わるでしょ」
なんて優しい奴らなんだこれが友達のやることだよな!広司の靴ヒモがほどけたら女子達4人は待つが俺の場合は待たずにさっさと行く、今も広司達5人は俺の事を待たずに学校に向かっている。
「そうそう昨日の夜な暴行事件が起きたのは皆さん知っていますよね?」
靴ヒモを直し広司達に合流すると、皇会長がニュースにもなっていた昨日の暴行事件の話をする。
「知ってます、本当に近所でしたよね」
「だからもしかしたら今日は半日授業か放課後の部活禁止で下校させられるかも知れない」
近所で事件が起きた以上その2つの内どっちかにはなるよな、出来れば登校せず自宅学習してくれって言って欲しいものだ。
「五十嵐君、暴行事件あったから生徒会はお休みになると思うから」
「……」
「五十嵐君?」
「えっ!あっ大丈夫です聞いてます、生徒会お休みになるかも知れないんですよね」
なんだかボーとして上の空な広司が心配になって話しかけようとしたら
「五十嵐先輩、私怖いです!」
そう言って最上は広司の腕にしがみついた。
「ちょっと最上!広司に引っ付かないで!」
広司に引っ付いた最上を夏蓮が引き離そうとする、また始まった広司をめぐってのラブコメが、本当にコイツらは飽きないなそんな事を考えていたら両腕にセレーナとアンリが抱きついて来た。
「どうしたの?」
まずは右側のセレーナに聞いてみた。
「私も聞いていたら怖くなりまして」
ちょっと恥ずかしそうに言って来るセレーナ、その姿が可愛く目をそらすついでに左側のアンリに尋ねる。
「アンリはどうして?」
「稔が羨ましそうに見てたからサービス」
そう言ってアンリは楽しそう笑った。
どうやらアンリはからかっているみたいだ、でもまぁこうして両手に花状態ってちょっとこそばゆい、広司がいつもこんな風にやって羨ましく思っていたけど実際やってみると大変だ。
スパーン!!
稔は突如後頭部を叩かれた。
「ボク先に行くね」
そう言ってユーリは1人で学校に向かった。
「あらあら」
「まっそろそろいっか」
そう言って稔の腕から離れてセレーナとアンリも学校に向かった。
セレーナとアンリが離れ名残惜しむ稔、出来ればもう少し両手に花状態で2人の柔らかな感触を堪能したかった稔だった。
でもいつまでもここに居ても仕方ないので俺も学校に向かった。
そして事件が起きての学校の対処は、事件が解決するまで放課後の部活禁止で直ぐ帰宅するようにとのことだ。
いっそのこと今日は半日授業で明日からは事件解決まで自宅学習良いのにと個人的には思った。
部活禁止になったが稔やユーリ達は部活入ってないのであまり関係ないのでいつも通りの日だ。
放課後になり稔は塾にユーリ達はそのまま帰宅、でも事件の事もあり塾も早く終わってしまい仕方なく帰る、その帰宅途中でお店に寄り買い物をした。
「ただいま!」
「はっ!この声のトーンは!!」
「うん!間違いない!!」
ドタドタと足音を立ててアンリとミルフィが帰って来た稔を迎えた。
「おかえりなさい!いつもより早かったね!」
「事件の影響で塾も早く終わった」
「疲れたでしょお風呂入りなよ」
稔が帰って来るなり2人メチャクチャ労って来る、それもそのはず稔は帰る前に寄ったお店はケーキ屋、稔は時々バイトや塾帰りにおみやげを買って帰る。
そしてアンリとミルフィは帰って来た時の稔の「ただいま」の声のトーンでおみやげを買ってるか買ってないかが分かるようになっていた。
「ユーリはどうしたの?」
玄関に靴が無いので聞いてみる。
「料理作り終わったからロードワークに行った」
答えはするがアンリだが目線は稔の持っているケーキの入ってる箱に釘付けだ。
「それとケーキ買って来たから冷蔵庫入れといて食後に食べよ」
「「はーい!」」
ケーキを渡して上げると2人は俗世間の穢れなど知らないだろピュアな瞳になった。
そして2人はケーキを冷蔵庫入れる台所に向かった、その姿を見て稔は幼い頃妹と一緒になって両親がおみやげを買って帰って来た時、あんな風にしていたなと懐かしんだ。
お風呂が空いてるから食事の前に入ろうかと思っていたら、セレーナが出かけるみたいだったので声をかけた。
「セレーナどこか出かけるの?」
「ええ、実は学校に体操着を忘れて」
薄暗くなってきたのに今から学校か、事件の事も有るし一緒ついて行こかな。
「だったら俺も行くよ、用事はそれだけでしょ?」
「はい、忘れ物意外の用事はありません」
だったら直ぐ終わるしついて行く事にした。
「あたしも行く!」
冷蔵庫にケーキを入れ終わりアンリとミルフィがこっちに来た、そして2人はもう穢れの無いピュアな瞳では無くなっていた。
「この時間の学校だと若い男女のウニャウニャ有るかも知れないし」
「……」
初めてミルフィに会った時は妖精って居るんだとファンタジーにテンションを上げたが、何だろ今のこの残念な気持ちは、妖精ってこんなのばかりなのかな?
「どうしたの?あたしの顔見て」
「いやミルフィはかわいいなって思っただけ」
稔はなげやりにミルフィに言った。
「どうしよ!みのるに告白されちゃった!」
1人モジモジするミルフィをほっといてアンリに尋ねる。
「アンリも一緒に来る?」
「わたしは留守番で良い、そんな大勢で行く事ないでしょ」
それもそうだな、どこかに遊びに行ったり食べに行く訳でも無いし納得して俺達は学校に向かった。




