知りたくなかった
「あームカつく、どう考えても俺何も悪くねぇじゃん!」
学校を退学になり羽部は夜の街を歩いていた。
家に居れば親に文句を言われてばかり、あれもこれの全てあの高木のせいだ!
稔達の元クラスメートの羽部は正真正銘のクズ、目の前に病気で苦しんで蹲っている老人がいても「何道のど真ん中で座ってやがるジジィ!!周りの迷惑考えろよな!」と言って蹴り飛ばすようなヤツだ。
羽部は人生十数年の中で1番苛立っている、それは稔に殴られた事だ。
今まで羽部は稔に似た感じのヤツに絡んでパシらせたり殴ったりしてきた、なのに稔には高圧的な態度や殴る素振りを見せてもビビらない事に前々から苛立っていたのに今回反撃を受けワンパンダウンそれが羽部のプライドを傷つけ苛立たせている。
むしろ殴られた俺の方が被害者だろ何で俺が退学なんだよ!
そしてあの女も最低だ!勝手に妊娠したくせに産みたいと言って来て責任取れと来た、ただのセフレの関係なんだから責任なんて無いんだからおろせば良いだけだろ!本当に身勝手だ俺の周りは自分勝手なヤツが多すぎる!
イライラしながら夜の街を歩く羽部すると声をかけられる。
「そこのお兄さんそんなにイライラ顔してたらせっかくの男前が台無しだよ」
「あぁ!!なんだお前!!!」
声のする方を振り返ると、サングラスにつけ髭をしてなんとも胡散臭い外人の男が占い師をやっていた。
「人の出会いは一期一会って言うし、どうだい人に話せばスッキリするかも知れないよ」
「金なんてねぇよ!」
「お金はいいよ!この通り暇だからタダで話し聞くよ」
特に予定も無いし何か買わされる訳でも無いし何よりタダなので羽部は話しをする事にした。
「そりゃ酷い!どう聞いてもキミは悪く無い」
「だろ!どう考えてもソイツが悪いよな!オッサン分かってるな!」
羽部の言う事に対してウンウンと頷いて自分が悪く無いと言ってくれる占い師に羽部は気を許し初めた。
「ところでキミ、ソイツにやられっぱなしじゃ嫌だよね」
「そりゃムカついてるから殴りに行きてえよ」
今思い返すだけでもムカつく、高木のヤツが俺を怒らせる事をしたから制裁してやろうとしたら、アイツが反撃してきた。
そして職員室に連れられスコップで殴ったら危ないと注意された、知るか!あんなヤツどうなっても誰も困らないだろ、やっぱり殴られた俺の方が被害者だ!
「やっぱりそうだよね、ならこれを上げよ」
そう言って占い師はペンダントを取り出した。
それを見て羽部は警戒心を上げた。
「チッ!やっぱり何か買わせるためか」
「イヤイヤ!お金いいよ!キミみたいな人が酷い目に会うなんて間違っているだから受け取って!」
占い師はペンダントを羽部の手に握らせた。
金はいらないと言うし売れば良い金になりそうなので羽部は受け取った。
「お金はいらないけど、良い事あったらウチでそれ買ったて言い回ってね!」
「良い事あったら言ってやるよ、ただし売上金を俺にも寄越せよ!」
羽部はペンダントを売るよりも自分が付けて良い事あったと言って色んな人に買わせて売上金を手に入れる事にした。
「良いよ!」
それを聞いて羽部はペンダントを付け去って行った。
「………本当バカな人ですね、まぁその方が実験台としてはよいのですが」
そう言って占い師の男は闇に姿を消した。
そしてその日の夜、2件の暴行事件が起きた。
ユーリとの罰ゲームデートも終わりユーリはいつもの男装をした。
帰るまでその格好でも良いんじゃないの?と聞いたらまた知り合い会って今度はバレたら恥ずかしいから嫌だと言って着替えた。
そして2人でスーパーで食材を買って帰宅して玄関にセレーナとアンリの靴が無いのでまだ帰宅してなかった、今日はユーリが調理当番なのでユーリ台所に行って稔はミルフィを探した。
「すーはーすーはー」
リビングにメチャクチャ集中してタブレットを叩いているミルフィがいた。
「はーふー……よし!フルコン!!」
「終わったようだからチョップ!」
「ケプッ!!」
音ゲープレイ中の人にちょっかいを出すのは射殺されても文句の言えない行為なのでプレイが終わったタイミングでチョップをする。
「誰!?ってみのる!おかえりなさい!デート楽しかった?」
そう言ってミルフィは左手で輪っかを作り右手の指をその輪に出し入れした、お下品な妖精だ。
「お前!何て事ユーリ教えている!」
台所にユーリが居るので声は抑えてミルフィを怒る。
「だって男にとってHの無いデートはデートじゃないんでしょ」
Hは何回目のデートですると言うアンケートで男性が1回目、女性は5回目ってテレビか何かで言ってたな、確かにミルフィの言う通り男にとってデートとはH、Hとはデートそう言う解釈でも間違ってないかも。
「まさかしてないの?!みのる辞書にはセックスと言う文字しか無いのに!」
「残念、避妊と安全日と言う文字とかもある」
下ネタ言って来るだろと思っていたので対処する。
「毎日、布団の中でイメージトレーニングしているのに、今日がそのトレーニングが実を結ぶチャンスだったんじゃないの?」
「毎日してねぇよ!!」
この妖精、夜に俺の部屋に忍び込んだりしてないよな?
「もしかして男装してるからムラムラしないの?でもユーリあたしを挟める位大きいよ」
それは知ってる、今日のデートで着たワンピースと地震の時に確認済みだ。
「おっと!どこで挟めるかは言わないよ、あたしが下ネタ大好き妖精と思われるからね!」
遅いわ!もう下ネタ大好きな事はバレてる。
「でもヒント出して上げる、それはセレーナにも出来てアンリには出来ない!」
ノーヒントで分かってるわ!
「ところであのゴムどこで手に入れた?」
妖精であるミルフィが外で買い物したら大騒ぎだ、通販使った形跡も無い。
「みのるの両親の寝室の引き出し」
「なるほど」
知りたくなかった、夫婦だからするのは当たり前でも自分の親がしてる事実を知るのはなんか嫌だ。
「みのる出来ることなら本当にユーリの事抱いて上げてよ」
「何ぜ?」
急に真面目な顔をしてミルフィが言ってきた。
「知ってるでしょ、あたし達が日本に来た理由」
自分達の国の姫様が魔王に拐われて助けるためだ。
「だからいつ死ぬか分からないから、せめて女の喜びを教えてあげて」
そうだった、アイツらが来て何か事件が起きた事も無く毎日も楽しくて忘れていたが、アイツら死ぬ覚悟を持ってこっちの世界いていた事を、こっち来てみんな楽しそうにしてたけど本当にそう言う覚悟今も持っているんだよな。
そんな覚悟を持たず毎日を生きてる自分が急に恥ずかしくなった。
するとミルフィが稔の左肩に乗ってささやいた。
「へっへっへっ、これでユーリとHしても良い理由が出来た!今からでも抱いてヤろうぜ!」
どうやら心の中の天使と悪魔をやってるみたいだ、そして今度は右肩に乗ってささやいて来た。
「ダメよ!そんな事!」
確かにそうだ、そんな不純な理由で抱いて良い訳ない、でもどうして天使役までやるのだろ?
「ユーリだけなんてダメ!セレーナとアンリも抱いて上げなきゃ!」
「お前も悪魔なのかよ!?」
ミルフィのボケにツッコミを入れてミルフィは稔の肩から離れて行った。
こうして今日のユーリとの罰ゲームデートは終わった。
キャラクター達の生活基盤も出来たのでそろそろバトらせようと思います。




