リコリス
喫茶店での休憩も終わり帰ろうとした時、広司と英里と夏蓮に出会った。
「あれ?稔じゃない?」
普段は男性と偽っているからか、それとも今のご令嬢の姿が恥ずかしのかユーリは3人に気づいたとたん帽子深く被った。
「そうだよ!みんなのアイドル稔君だよ!」
「やっぱり稔か、それでその銀髪の女の人は?」
3人とも帽子で顔が隠れている銀髪の女性の方が気になり稔のボケにはノータッチで行った。
そしてこのまま無理やりにでも帰ったら後々面倒くさ事になると思い、稔は行動に出る。
「紹介するね、この銀髪を見たら予想は付くと思うけどユーリの双子の妹の」
(考えろ俺!今の令嬢風ユーリの名前を!)
そんな事考えながらお店の外を見たら、女優の椿リコのポスターとリスのぬいぐるみが、目に入り名前を思いつく。
「リコリス、あと人見知り激しいから気をつけて、それと日本語は話せるから」
「あ~ユーリ君の妹さん」
3人とも納得してくれたようだ。
「リコリス、この人達はお兄さんのお友達だから大丈夫だから挨拶ぐらいはして」
そう言ったらユーリは恐る恐る帽子を取り挨拶をした。
「初めまして、わたくしユーリの双子の妹、リコリスと言います以後お見知り置きを」
恥ずかしそうに挨拶する姿は人見知りがあるようで良かった。
「!!」
この時、広司がリコリスとなったユーリを見た瞬間固まったがそんな事は誰も気づかず話が進む。
「ユーリ君の妹さん!すごい美人だね!」
「あの美形の妹なら当然か」
納得してくれたようなので俺も広司達に聞く。
「所で3人はどうしてここに?」
「今さっきまで遊んでいて疲れたから休憩でここに」
遊ぶんだったら俺とユーリも誘ってくれても良いじゃん、ハブられた事実に俺は少し傷ついた。
「本当は稔とユーリも誘うつもりだったけど、2人とも直ぐ帰ったから何の用事かと思ったら、こんな用事か」
どうやら俺達の事ハブった訳じゃないようだ。
ハブりやがってコノヤロー!深爪して缶のプルタブ開けるの苦戦しろ!とか思ってごめんなさい。
「ユーリは残念な事に別件で今居なくて俺1人で案内中」
「そうなの?残念だね」
「所で私らも席一緒して良い?せっかくだから話しとかしたいし」
リコリスに興味を持ったようで夏蓮が相席を提案してきた。
「残念ながらもう帰らなきゃいけないんだ」
元々帰るつもりだったし、それにこのまま居たらユーリだとバレてしまうかもしれない。
「そっか、それは残念だね」
「ユーリのヤツかなりのシスコンだったから遅いと何されるか分からないから、また明日!」
そう言って稔は会計を済ませてユーリの手を取りお店から出て行った。
「ユーリ君の妹さん本当に綺麗だったね」
「うん」
「やっぱり、うちの学校に入って来るのかな?」
「うん」
「どうしたの広司君?」
ボーとする広司に英里が話しかける。
「とりあえず席座って注文しよ!」
「うん」
「「???」」
突然上の空になった広司、その時はリコリスとなったユーリに広司が恋をしてしまった事に誰も広司自身さえも気づいてはいなかった。
「ふぅー、まさか広司達に会うとは」
突然広司達と出会い焦ったが、上手く誤魔化しきって落ち着ける場所に稔とユーリは来た。
「稔そろそろ」
「え?あっ!ごめん」
ユーリが話しかけ来たから振り返ると、俺はまだユーリの手を握ったままだった、よっぽど自分が焦っていたのが分かる。
「それにしてもボクってバレてないかな」
不安そうな顔をするユーリ、バレてないと思うのでフォローする。
「バレてないって!実際妹って言ったら納得してたし」
「でもボクの事を綺麗だって」
?良い事じゃん綺麗なんて言われて、普通は嬉しい事じゃないの?
「女性が女性に対して綺麗って言うのは自分の次にって意味だから、本当はバレていて、からかって言ったんだよ」
確かに女性が女性を美しいと褒めるのは自分の次にって聞くけど、あの2人は本心で綺麗って言ったと思うのだが、本当に女としての自信がユーリには無いんだな。
「それに広司だってボクと目が合ったとたんに話さなくなったし」
そう言えばアイツ全然喋らなかったな、焦っていて気がつかなかったが多分あれは気づいてはいなかった、長年幼なじみをやているから分かる。
実際はリコリス姿のユーリに広司が一目惚れしただけなのだが、稔もユーリもその事実に気づいてはいなかった。
「大丈夫だって!みんな気づいてない!」
自分の正体がバレたと思い込んでるユーリを説得する稔でもユーリの不安は募るいっぽうだった。
「でも」
今にも泣きそうになるユーリ、なので俺は抱き締めて頭を撫でてあげた。
「大丈夫、大丈夫だから!」
「ちょ!稔!」
「アイツの表情見てたけどバレてはいないって!」
幼なじみの2人は長年の付き合いでバレてないと分かる、夏蓮は高校からだけどアイツも気づいてないと確信は持てる。
「時間も時間だしそろそろ帰ろ」
大分落ち着いたみたいなので帰ろうと言う、我が家で料理が作れる2人が帰って来ないと大変だ。
「…うん」
返事をするとユーリは稔の腕に抱きついた。
「…何してるの?」
「罰ゲームとは言えデートだからこんな事はするでしょ」
確かにショッピングモールを歩いていてもカップル達はこうしてるけど、今の令嬢風のユーリだとなんだか恥ずかしいな。
「あっそうだ稔」
「どうした?ブッ!!」
思わず吹いてしまった、何故なら今ユーリはコンドームを咥えていたからだ。
すかさず俺はユーリの咥えていたゴムを奪い取る。
「なにやってんの!?」
「ミルフィがこっちの世界だとデートは家に帰る前に女性がそれを咥えて男性に見せるのがマナーだって言ってたから、一体それは何なの?」
どうやらこのゴムがどうゆう物かも咥える事の意味も知らないみたいだ。
それにしてもあの妖精なんて事教えてやがる。
「ユーリもうやったらダメだからね」
「そうなの?あんまり良く分からないけど分かった」
とりあえず帰ったらミルフィにお仕置きだな、こうして俺とユーリのデートは終わった。




