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タイトル未定2026/03/30 16:53

いつもの様に依頼を受けようと冒険者ギルドへ向かう。

 扉を開けるとそこには、高ランクの名だたる冒険者達と忙しそうに事務作業に没頭するギルド職員達の姿があった。

 冒険者の中にはミリアとリインカの姿もある。

 明らかに異常な状況だ。

 一体、何事なんだとミリア尋ねてみる。


「緊急クエストだってよ。魔物の大規模な群れがこの村めがけて前進してきてるらしい。それを食い止めるために集められたんだとよ」


 今までなかった状況に臆してしまう。

 これだけの戦力が必要なほどの魔物が押し寄せてくるなんて、考えたこともなかった。

 確かに魔物の中には群れを形成して狩りをする種類も複数存在しているが、ギルドが他所から冒険者を集めるほどとなればとんでもない規模であることは容易に想像できる。

 一体どうしてだ?そんな疑問を持つことしか出来ずにいるとざわつくギルド内にギルド長の声が響いた。


「お集まりいただき感謝します。聞いての通りこの村は今、前例のないレベルの危機的状況にあり、皆様の強力なくこれを乗り切ることはできません!どうかその力をこの村のために振るってもらいたい!」


 冒険者達は一斉に「おう!」と二つ返事で答えた。ただ一人、リインカを除いて。

 

 *

 

 とにかく忙しい毎日が始まった。

 村を要塞化するべく冒険者達は玄人も新人も関係なく馬車馬の如く働いている。壁を補強し、側溝を堀り、罠を張り巡らせる。

 どれだけ動いてもやる事が山詰めで終わりが見えない。リインカがよく言っていた「防御準備に終わりはない」この言葉を身に沁みて感じた。

 ようやくひと段落したところでふと気づく。

 ここ数日リインカを見ていない。

 リインカの事だ。

 サボっているわけではないはずだ。

 何か別の仕事を任されているに違いないが、心配なため念のためギルドに確認するとやはり特別な任務にあたっているようだった。

 リインカはギルド直轄の任務を任されており、内容としては偵察と遊撃行動を行っているらしい。

 今頃、単身で魔物の群れを偵察している事だろう。

 負けてはいられないとより一層防御準備に力を注いだ。

 

 *

 

 ついに魔物の群れが村にまで押し寄せて来た。

 それを冒険者達があらゆる方法で迎え撃つ。

 矢を放ち、罠にはめ、剣で切り裂き、作戦通り次々倒していく。不自然なほど順調に事が進んでいて逆に不安になってくるほどだった。

 しばらく戦って生きた魔物の姿が見えなくなると冒険者達は魔物の頭を掲げて勝鬨を上げはじめた。

 村への被害はゼロ。

 全ての魔物をバリケードの前で殲滅することに成功したのだ。

 冒険者や自警団の死者もなく軽傷者が数名いるだけであり大規模な戦闘の後とは思えない被害だ。

 圧倒的な勝利を収めたこの状況に皆は喜びすでに打ち上げや報酬の使い道について語りあっている。

 そんな中ミリア一人だけが首を傾けて頭上に?を浮かべている。


「どうしたのミリア?」

「なんか、敵の数はすくないし、敵の種類についてもその辺のダンジョンの中ボスレベルで拍子抜けしちまったんだよ」

「…そうだね…確かに言われてみればここにきた魔物もすでに弱っていたって言うか、何かから逃げてきてたような…」


 死んだ冒険者から奪ったものといえばそれまでだが魔物の装備はどれもボロボロだった。

 肉体もボロボロで村に到着したばかりであるにも関わらず出血していた個体も多くもいた。

 戦う前に負傷したのだろうか?おまけにいつもなら小細工したり、簡単な陣形を作ったりしてくる魔物達が、今回はただ雪崩れのように突っ込んでくるのみだった。

 その表情は恐怖に怯えて歪んでいるようで敵であるはずの冒険者に助けを求めているようにすら見えた。

 あれではまるで敗残兵だ。


「まさか!?クソッ!!」


 何かに気づいたのかミリアは走り出した。

 わけもわからず慌ててミリアに続いて走り始める。

 焦っているのか、かなり早いペースで走っており、あっという間に村が遠ざかっていった。


「クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!」


 ミリアの額からは大量の冷や汗が滴っていて、険しい表情から焦りを感じ取とれる。


「ミリア!どうしたの?!」

「師匠だ!師匠が魔物を一人で相手してる!」

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