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タイトル未定2026/03/27 08:59

アイラが連れ去られてから半日が経過してしまった。なんとかオークの住処を発見することに成功したもののアイラが無事かはわからない。

 それでも仲間を見捨てるわけにはいかない。

 廃人になっていたとしても、死亡していたとしてもつれて帰ってやる。


「待ってろ!アイラ!今助けに!」

「帰ったら肉食いに行こうぜ!」

「え?」


 ようやくオークの住処を見つけてこれから突入しようとしたその時、現れたのは土砂降りにでもあったのかと言うほどビショビショに濡れた四人組だった。


「いやまずは風呂だ」

「そうですねー。幸い近くの川で流せましたけどあの川の水も汚染水である可能性がありますし…変な病気にはなりたくありませんからねぇ…」

「ハハハッ…」


 まるでこちらに気づいていない様子で普通にすれ違ったため、幻覚が見えていたのかと思って一瞬スルーしてしまった。


「ちょっ待てよ!」

「ん?あっ!ゼイン!!」


 こちらに気づいてもアイラは目を合わせてくれない。どこか悲しそうで捨てられた子犬のようにすら見える。


「大丈夫?!何もされてない?」

「大丈夫だよ…ただ…」


 アイラは、なぜか一定の距離を保っている。


「え?なんか遠くない?もしかして臭い?」


 慌てて袖の匂いを嗅いでみるがいつも通り臭いのは臭いが許容範囲内の臭さだった。

 丸一日山に籠って戦闘行動をしてればこれぐらいの匂いにはなって当然だ。

 できるだけ匂い等の清潔感には気をつけているがこれに関しては仕方がないとアイラもわかっていたはずなのだが、どうも様子がおかしい。


「いやゼインじゃなくて…私の方よ」

「別にアイラは臭くないと思うけど?」

「臭いの!…あっ…」


 するとパーティーのもう一人の魔法使いマイリがいち早く異変に気づいた。


「なんかこの四人臭うんだけど…」


 言われてみれば確かに体臭とはまた違う匂いがする。

 この匂いどこかで嗅いだことがある。


「オークの_____」

「黙れ。その先言ったらお前の口に突っ込むぞ?」

「何を?!」


 最後まで言い終わるよりも先にアイラの口から、聞いたことのない脅迫が飛び出して妨害された。

 これは触れてはいけない案件のようだ。


「さっさといくぞ。クソ臭くてかなわん」

「ちょ!リインカさん!アイラは気にしてるんですよ!この話は僕らの中でとどめとくって話したじゃないですか!」

「クソにまみれる覚悟もない奴に何が守れるんだって話だろ?なぁーゼインくんよぉ〜!」


 ゼインに向かってズカズカと距離を詰めるミリアは、なぜか楽しそうだ。

 あまりの臭さに『ブレイズ』のパーティーメンバーは鼻をつまんで絶句した。

 マイリに関してはこちらに背を向けて嘔吐し始めた。このままだと鼻が曲がりそうだ。


「おいおいおい!A級冒険者様がこの程度の悪臭如きでそんなに堪えるタァ情けぇなぁ!!今なら片手でも勝てちまいそうだぜ!」


 ミリアの姿や振る舞いが薄汚い輩と完全に一致している。どちらが小物かわからないが勝負の結果は明白だった。

 こうしてこの勝負は「ブレイズ」パーティーの敗北に終わった。勝った方が敗残兵の様な姿になっているのが違和感でしかない。

 討伐数に圧倒的に差をつけられた挙句、連れ去られた仲間を助けられてしまったのだ。

 この敗北に意を唱えるものは誰もいなかったし、今後ミリア達には誰も立て付けなくなってしまった。

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