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タイトル未定2026/03/27 07:06

 ミリア達とパーティーを組んで記念すべき10回目のクエストは村近くにできたゴブリンの巣穴の破壊だった。

 ゼイン達とは駆け出しの頃何度かやったことがある。

 今となっては高ランクのクエストしか受けなくなったため依頼書に見向きもしなくなってしまったが、ミリア達はそんな誰もやりたがらない依頼書をまとめて受け持っているためか、ある意味高ランクの冒険者よりも重宝されていた。

 俺にとってもこれぐらいの難易度の依頼の方がちょうどいいし、ベテランのリインカがいてくれるので安心感がある。

 ただ、この二人がその辺の冒険者とは違って一癖も二癖もある事を忘れてはならない。

 巣穴まであと少しのところで二人は足を止めると「そろそろだな」と近場の沼地から泥を手に取り身体中に塗り始めたのだ。


「なにやってるんですか?!」

「偽装だ。お前もやれ。」

「えぇ…」

 

 *

 

 長い仕事を終えてようやく村まで戻ってこれた。

疲れ果てて足腰が悲鳴を上げていて、眠気がすごくて気を抜いたら立ったままでも寝てしまいそうだ。

 そんなシワックの横で豪快に笑うミリアとリインカが羨ましい。どうやったらそんな体力つくんだろうか?

 疲れているのを察してくれたリインカがギルドに入るなり椅子を差し出して座らせてくれた。

 今日の報告は、ミリアの教育も兼ねて二人がやってくれるとのことで僕は一人机に突っ伏して爆睡していた。

 しばらく睡眠を噛み締めているとガシガシ頭を撫でられ雑に起こされた。


「よ!シワック久しぶり!」


 向かいの席にはゼインが座っていた。どうやら心配して様子を見にきてくれた様だ。


「おっおう!久しぶりだね」

「なんて言うか…えらくやつれてるな。大丈夫か?」

「大丈夫だよ…ハハハッ…」


 元気のない返事にゼインは不安そうに尋ねる。


「まさかあの二人にいじめられてるんじゃないだろうな?」

「いや!違うよ!」


 必死に勘違いを訂正しようとしたがゼインの思い込みは止まることはなかった。


「庇わなくていい!お前は優しいからな!きっとあの二人のパワハラも黙認しているんだろ?」

「いや違うって!」

「大丈夫!一度は負けたけど次は絶対勝つ!」


 え?一度は負けた?次は勝つ?意味はわからないが、勘違いが最悪な方向へ進んでいることは確かだ。


「おーシワック!起きたみたいだな!大丈夫か?もうちょい寝とくか?」


 ああ…最悪のタイミングで二人が戻ってきちゃった。


「決闘だ!俺達が勝ったらシワックを返してもらう!」


 突然の申し出にも関わらずミリアは笑って了承した。


「良いぜ!乗った!」




 決闘のルールはシンプルだった。

 村に近づくオークの群れをより多く狩った方の勝ちと言う単純明快なもので相手チームへの妨害や事前に討伐した証拠品を準備する以外なんでもありである。

 勝てば相手チーム分の報酬を丸々もらえると言う事で勝てばそれなりの大金を得ることができる。

 ゼインがいきなり「シワックの新しいパーティーメンバーと決闘する」と言い出した時は驚いたが、単独の正面切っての殴り合いならまだしも、オーク程度の討伐ならこちら側に分がある。

 現地に入って決闘が開始してからは、全てが順調だった。

 剣士がオークの群れに切り込み、その背中を格闘家がカバーする。それを魔法使い二人で支援するというスタンダードで確実な連携で次々オークを倒していく。

 15分ほどで辺り一帯のオークは狩り終えて、その死体が30を超えた。これだけ討伐すればミリア達に負けるはずがないだろう。


「皆んなおつかれ!」


 いつも通り労いの言葉を送り合いながらハイタッチを交わす。

 あとは証拠品になる獲物の耳を集めて撤収するだけだ。

 しかし、私達は迂闊だった。残党がいるなんて夢にも思っておらず、油断して隙ができた瞬間を奴らは見逃さなかった。


「えっ!?」


 何かが足に絡みつき草むらに引き摺り込まれてしまった。声を出す間も無く頭を殴られ気を失ってしまう。

 気を失う寸前に目に映ったのはピンク色の肌と大きな鼻をした小柄のオークだった。

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