73話 『事後処理』
期間が開いてしまってすいません。
仕事関係で色々と憂鬱になってしまって...
すっかりやる気を削がれた俺は渋々事後処理をする事にした。まぁ、このまま放り出して帰ってもいいのだが、それだと後味が悪いだろうと思ったからだ。
とりあえず、前に俺が起こした地震で倒壊した家や少し破損した建物を街で何軒か見たので帰り際に見える範囲で元に戻しておこう。
もしかしたら死人が出てるかも知れないと思ってフィリシアに聞いてみた所、擦り傷や切り傷等の軽い怪我をした人は居たが、死人は1人も出ていないと言っていた。
誰も殺してないのに何で魔王認定されるんだよ。
と口に出しそうになったが、そもそもアレは完全に俺の落ち度なのでグッと堪えた。
さてと、他に何かすることってあったか?
............うーむ。無いな。強いて言うなら買い物くらいじゃないか?って言っても今の状況では無理だろうがな。
あ、そうだ。勇者、もとい馬鹿の話をしておく必要があるか?いや、元々アイツはこっちの人間じゃないし、そんな義理は無いか。
じゃあとりあえず俺に対する不干渉は約束して貰うか。
まぁ、この国の兵士達を軽々と倒した奴に対してまだ何かしようとするのは馬鹿だけだろうけどな。
とか考えると起きそうだからやめてほしいものだが...
と考えていた所で固まっていた姫さんが何やら決心した顔をして話しかけてきた。
「...勇者様は...」
「.........」
「...あの方はどうなるのですか。」
「当然だが帰郷するそうだ。」
倒すべき魔王も居ないしな。それに、そもそもアイツは一般人だ。勇者と言われる程イカれた博愛精神も無いだろうからな。あいつはただの善良な一般人だ。まぁ、他人よりは圧倒的に善良だからただの一般人では無いか?
「そう...ですか...」
......はぁ。嫌な役回りだな。
「......もし」
「?」
「もしも貴様が全てを捨ててでもアイツに付いて行きたいのならば...」
「行きたいです!!!」
「...そうか。では3日後の夜。玉座の間にて待つ。それまでにもう一度考えてから来るがいい。」
「はい。ですが私の心持ちは変わりません!」
「...だといいんだが...」
と聞こえるか聞こえないかくらいの声で言って俺は王城に座標を付け、その場を後にした。
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さてと。どうしたものかな。
まずは自分の状況を再確認しよう。
1 何かやばい奴に目を付けられた。いつ攻めてくる、もしくは問題事を起こすかは不明。目的も不明。正体も能力もとにかく不明。街の防衛を強化する必要があるだろう。
2 フィリシアは松尾に好意を寄せているが松尾はそうでも無い様子だ。多分、何だかんだで松尾の方が折れるだろう。
...フィリシアが恋に恋する奴で直ぐに冷めるような事があれば別だが...
3 松尾は帰りたい。多分フィリシアも着いていくと思う。
4 魔王認定は取り消されるか分からない。3日後に話をつけて解決させよう。
5 不干渉の約束を取り付けるのを忘れた。これも三日後に解決させよう。
6 この国の人間には恐らく、と言うか間違いなく恐怖心、敵対心を持たれている。まぁ、アレだけ兵士達を薙ぎ倒したんだ。殺してはいないとはいえ、心象は最悪だろう。
もしかしたら帰り際に石ころを投げつけられるくらいはあるかもな。
7 建物の修復をしていないので帰り際にする。
あー、考えてみるとやる事が多過ぎるな。はぁ、考えるだけで嫌になる。まぁ、しばらくの間は暇が潰せると思うが...めんどくさい。帰ってゲームでもゆっくりとやりたい。
さて、うだうだ考えていても状況が良くなったりはしないし、とっととやってさっさと帰るか。
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王城を抜けて街に出た俺は先程見た壊れた建物を直しに行こうとして、兵士達に囲まれた。多分さっきフィリシアの過去を覗いた時に魔法が解けたか、もしくは効果時間が切れたのだろう。
「魔王め!先程は不覚を取ったが次こそは貴様を倒す!!!」
まぁ、こうなると思ってたさ。だがコイツらの誤解をいちいち解くつもりは無い。面倒、そして何より俺の言葉にはなんの信憑性も無い。
だから、また拘束する。
「クソォ!我等は眼中に無いとでも言うのか!!」
まぁ、そうだな。構ってる暇も無いし、構ったとして暇つぶしにもなりはしないからな。
喚く兵士達を無視して壊れた建物をテキトーに直して行った。
すると、一部の兵士がその様子を見ていたのか
「アイツは一体何をしているんだ?」
「まさか...建物を直している...のか?」
「は?アイツがそれをやったんだろう!?ならばわざわざ直す理由が無い筈だ!」
と、何やら困惑しているみたいだ。
まぁ、事情説明とかしないけどな。
追いかけてくる兵士を行動不能にして街を歩き回り建物の修理をあらかたした俺は、さっさと帰ろうとして、ちらっとスマホの時計を見てみたら。
うげ、すぐ帰るって言ったのにもう昼前だ。マズイ...
次の話の投稿も遅くなるかも...




