46話 『散歩』
朝、目が覚めて、たまには身体を動かさないとダメだと思った俺は、森に散歩に行くことにした。
ああ、エルは寝てるから置いていくことにした。
後でなんで起こさなかったのだと怒られるか?
いや、そんな事では怒るような奴では無いか
それに置いていったとしてもいつの間にか横に居るしな。アイツ、もしかして気配遮断か認識阻害でも身に付けたんじゃ無いだろうか?
それともエルが居るのが当たり前になって居るから俺の中の違和感が無くなっているのか?
そんな事を考えながら久しぶりに魔の森に来た俺は、軽く準備運動をしてからジョギング程度の力で走った。うむ、スキルでの身体操作の精度は悪くなってないな。そう思って徐々に力を込めて行った。
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数分前の自分を殴りたい。
やはりスキルの制御が鈍っていた。
後ろを見るとアニメで敵キャラに吹っ飛ばされた時に出来るような後が出来ている。クレーター...とは違うか。なんと言えばいいんだろうな。
まぁ、そんな事より、めちゃくちゃ自然破壊してしまった。長さは1キロくらいか?横幅はちょっと分からないが多分50メートルから100メートルくらいだと思う。うわぁ...所々に赤いシミがある。
とりあえずそのクレーターもどきを土と植物の魔法を使って直した。
途中でぐちゃぐちゃになった魔物の死骸も見たが、見なかったふりをした。きっと他の魔物が処理してくれるだろう。
地上で動くと自然破壊になると分かったので空なら思う存分練習が出来るのでは無いかと考えた。
だが、俺には翼は無いし、魔法で飛んだ場合は魔法の制御であって肉体では無いから意味が無い。身体と違って魔法にはブランクも何も無いしな。
そう言えば、人魚達が持ってた変化スキルってあったな。あれならば羽くらいなら作れるんじゃないか?でもスキル持ってないしな...
ピロン♪変化スキルを習得しました。このスキルは上限まで強化されて付与されます。
...あー、うん。知ってた。
とりあえず羽を出してみた。
羽と言えばやっぱりカラスの羽を想像してしまうな。ん?普通は天使の羽だって?俺はカラスが好きだったんだよ。...って誰に言ってるんだか。
「うぉっ。」
背中がムズムズして蠢いたと思ったら服を破って大きな羽が生えてきた。
「あー、やっちまった。」
まぁ、後でまた創ればいいだろう。
とりあえず今は羽が合っても着れる服が欲しいな。羽の付け根に穴を開ければいいのか?
まぁ、物は試しだ。そう思って背中に穴が開いている服を創造した。
「うむ、我ながらジャストサイズだ。」
着心地も悪くない。
「さて、それじゃあ飛ぶか。」
そう言って羽を羽ばたかせた。
「おおっ!」
少し浮いてきた。だが...何か思っていたのより遅いな...
「もしかして魔力とか込める必要あるか?」
まさかな?と思って試してみた所。
「おっ!当たりだったか。」
一気に上昇した。あれ?速過ぎないか?
めっちゃ風圧が強いのだが。だが、風圧は魔法で逸らせるか。
もしかして魔力込めすぎたか?
そう思い弱めていくと徐々に失速し、最終的にはその場で止まった。
「うーん、これは慣れる必要があるな。」
と言うかめっちゃ高い。これは高所恐怖症の奴ならダメだな。あれ?そう言えば俺って高所恐怖症だったんだが…特に何ともないな...耐性かレベルのせいか?...まぁ、楽しければそれでいいか。
ひとまずその考えは置いておいて、空を自由に飛び回り満喫した。途中からは羽の操作に慣れたのかそれとも俺の体に馴染んだのか分からないのだが、魔力を込めなくても空を飛べるようになった。
まぁ、最初の飛び立つ時だけ必要なパターンかも知れないがな。
そんな事していたらもう2時間くらい経ってしまったな。次は軽く戦闘をしてみるか。
いい練習相手が居るといいんだが...
そう思って上空から探してみた所。
「お、アレなら歯応えがありそうだな。」
そこに居たのは...大きくて赤い鬼だった。
お伽噺なんかで見るようないかにも鬼ですって感じの鬼だ。どんなステータスなのか気になって鑑定したところ。
「オーガキング♂」
Lv45
体力 20000
攻撃 10000
魔攻 6000
魔力 14000
防御 10000
魔防 10000
敏捷 6000
スキル
「無属性魔法」Lv6
「火属性魔法」Lv6
「棍棒術」Lv8
「再生」Lv6
「性技」Lv3
オークやゴブリンと同じく、人を攫って食べたり、数を増やしたりしている。しかし、力がとても強く、再生能力を有しているため、非常に対象が難しい魔物。魔族の鬼と間違えられるのだが、全くの別種。知能はあるが意思の疎通は不可能で、仮に出来たとしても自分の同族以外の生物を餌としか見ていないので相容れないだろう。
ふむ、これならば丁度いいんじゃないか?
殺しても誰の迷惑にもならんだろうしな。
そう思って近づいて行ったところ。
「ガ?..ガ....ガァァァァ!!!」
と叫びながら何故か逃げてしまった。
うーむ、どうしたものか。
とりあえず追いかけて殴るか?
いや、それだとただの虐殺か。
でもあいつのレベルを見る限り、結構な修羅場は潜っているんだと思うのだが...いや、だからこそ逃げたのか。
まぁ、いいか。
ん?だがアイツ...
いや、やっぱり気が変わった。やっぱり殺すか。よくよく考えたら、あのスキル構成だと結構人間とかも殺ってるよな?それに、ステータスはうちの連中にとって脅威になるだろう。それならば、今のうちに悪い芽は摘んでおきたい。とりあえず、まずは追跡だ。
奴もそこまで遠くには行ってないだろう。
さて、奴が向かった方向は...
そう思ってスキルで確認したところ。
「ちっ、運が悪いな...」
よりによって街の方か。
だが、この時間ならうちの連中も居ないだろう。
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彼は走っていた。
彼は考える、アレはダメだ。
洞窟の奥に居る小鬼の王より、狼の群れの王より、空を飛ぶ大きな赤い竜よりも危険だ。
小鬼の王ならば首を捻り殺した。
群れる狼の王は首を掴んで生きたまま喰ってやった。
何度か人間の集団も襲ってきたが全員犯して殺してやった。だが、アイツはダメだ。
あの赤い竜に見られた時にもだってこんな事は無かった!
嫌だ!このままではアイツに殺される!イやだ!イヤだ!オレはまだシにたくない!!ここで死んでたまルか!
ピロン♪スキル「恐怖耐性」を獲得しました。
ピロン♪スキル「狂化」を獲得しました。
ピロン♪スキル「強欲」を獲得しました。
WiFi契約できたぁ...
でも全くストックしてないからやばい...




