八十五.五話 魂と妖怪の物語
「おい、アキヒロ。ちょといいか?」
「ん?あぁ、晴明様に道満様。どうかしましたか?」
「少し話がある。あちらで話せないか?」
「??」
アキヒロは晴明たちに呼ばれ、皆から離れた場所へ移った。何事かとアキヒロは身構えていると晴明は真剣な顔で話し始めた。
「実は…ずっと気になっていたんだが、あなたは本当に蝶化身なのか?」
「……その事なんじゃが。ワシも少し疑問に思っていての?確かに姿は妖怪っぽいんじゃが、冥界の湖に行き来できるのが不思議だったんじゃ。」
「あぁ、もしかしたら妖怪と魂の境目にいるのかもしれん。一度占わせてくれないか?」
道満が問うとアキヒロはこのモヤモヤが晴れるならと承諾した。
早速晴明はアキヒロに向かって手を向けると目を瞑り何かを唱える。するとアキヒロの体が少し霞む場面があったことを道満は見逃さなかった。
「晴明。」
「ああ、やはり妖怪相手の術を使って霞むとなると完璧に妖怪になりきれてないという証拠だ。」
「なんと!じゃあワシは中途半端に妖怪ということか?」
「そうなるな。」
それを聞いたアキヒロは地味に落ち込むが、晴明たちの話はまだ終わらない。
「アキヒロ、あなたはどうしたい?妖怪になるか魂に帰るか、」
「それは…その陰陽術でどうにかできるんですか?」
「本来なら妖怪や魂にすることは出来んが、あなたの場合はただきっかけが足りないだけだ。それを与えればなることは可能だ。」
「ほぅ、そうなのか。」
「さて、どうする?」
「…少し時間をくれませんか?」
「構わない。だがあなたの今の体は不安定だ。決断は早めた方がいい。もし答えが出ればこの札で呼んでください。」
そう言い残すと晴明たちは他の皆には仕事があると言い村を後にした。
「妖怪と魂………か、どうしたもんかのう。」




