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死んでしまった彼女の。  作者: 砂糖ばなな
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見えない体

やっとの思いで目覚めたのは、学校の教室だった。

何故この教室なのかは自分でも解らない。

教室には誰もいなかった。


机や椅子を通り抜けられる。

物に触れることはできないが、これはこれで快適だ。



誰にも見られていない。

何をしてもばれない。


私が好きだったトイレのように。



休み時間はトイレにこもることが度々あった。

皆の目が怖くて。

あの狭い空間にいると、とても落ち着いていた。


学校で唯一の逃げ場だったかもしれない。



まぁ、上から水をかけられる事も多かったが。




そんなことを思い返していると、ガラガラと扉の開く音が聞こえた。


・・・彼女だ。




彼女は私の机に花束を置くと、その場に座り込んだ。

見たくもない憎い顔を何故か見てしまう。



声は出せるから・・・




彼女は教室を出ようとする。



「ねぇ。待ってよ。」



彼女に小さな声で囁いた。

気づいていないようだ。



「ねぇ、聞こえないの?」




(あっ・・・!?)



癖でふと手を掴もうとすると、何かの感触を覚えた。

物を掴めないはずの私の手が、彼女の腕を掴んでいた。


状況が分からなくなった私は、ふと彼女の腕を放してしまった。





(・・・。)




ガタガタと机や椅子がぶつかり合う音がした。

彼女は生身の人間。

重力には逆らえない。



彼女は意識を失っていた。









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