第五話 〜エルフの魔道士セイリン〜
「アタシはセイリンよ!この天才魔道士がアンタ達の仲間になってあげる!」
「「「………」」」
「な、何よ?その反応?」
「いや、エルフの認識が崩れて行く気がして…」
「出たわ、偏見!エルフが長命種だからってみんながみんなおっとりしてる訳じゃないわ!”今”
は”今”しかないんだから、自分らしく生きるのが大切なのよ!」
ーーーーーー
「もう一人後衛がいたほうがいいと思う。」
魔王討伐の旅に出て二か、月ゼノスたちはパーティについて話していた。
「そうだな。今は前衛一人、後衛一人、そしてオールラウンダーのゼノスだ、一見バランスは取れているが、後衛の守りが弱いし、ゼノスが後衛に行ってしまうと火力が足りない。」
「そうね。私と一緒に後衛を守れて火力もある魔道士が欲しいですね」
「此処から3日ほどの所に魔導国家アルフェンがある。そこで魔道士を勧誘してみよう」
こうして、アルフェン行きが決まった。
野営を挟みながら3日目にアルフェンへとたどり着いた。
「ほぅ、聖剣の勇者ですか。その剣を見る限り、本物の様ですな」
国の入り口で名乗りを上げたところ、すんなりと国家元首の所まで案内された。
広く開かれた国。それが魔導国家アルフェンだった。
魔導を極めたい。研究をしたい。そうした者たちが集まってくる場所だった。
その為、移民受け入れが多く、その規模はどんどん大きくなっていた。
「我が国家には優秀な魔道士が多くいます。これからご紹介する魔道士はアルフェン最強と言っても過言ではありません」
そうして大臣に一つの研究室に案内された。
「え?なに?なに!?魔王討伐?行くわ!アタシが行く!!」
即決。
大臣の説明半分の内に魔王討伐の旅に同行を希望するとは、なかなか酔狂だと思った。
「彼女はセイリン。魔導に精通したこの国唯一のエルフです」
「よろしくね!この旅で、いい研究材料を見つけるわ!」
「あ、あぁ、よろしく」
「あんた、この旅が世界を救う旅って知ってんのか!?」
「当たり前じゃない。いい?魔王倒した後の人生だってあるんだから、その後の準備も進めなきゃね!!」
「まぁまぁ、イシュト落ち着いて」
「そうよ。面白い人だわ」
「ゼノス、エレン……わかったよ…」
「ふ〜ん、あんたが勇者……優男ね。んで、あんたは勇者が好きで、そっちのあんたはこの子が好きなのね!そして勇者もまんざらではないと……面白いじゃない!」
「な、何言ってんだあんた!」
「そ、そうですよぅ」
「いやいや、僕は心に決めた人がいますよ。それにエレンが好きなのはイシュトですよ」
「へっ?」
急に顔が赤くなるエレンとイシュト
「ちょ、ちょっとゼノス!そ、それは秘密って言ったじゃない!!」
「あっ…」
「この勇者、天然ね…」
ーーーーーー
「さぁ!行くわよ魔王の居城はカナート山脈を超えて、グラストヘイム、聖都ミレミアの先にあるサンクチュアリの麓、忘却の花園に入り口があると言われてるわ。」
「おぉ!すごいな。これがあるフェンの情報網ってやつか」
「いえ、これよ!」
魔王隷属のすすめ 国家版
みんなも賢く支配されよう!
悲哀の魔王レイン 著
「なにこれ?」
「もう絶版だけど、魔王が書いたんでしょ?」
「うおっ!綺麗に行き方まで書いてあるぞ?倒しに来てくださいって言ってるようなもんだぞ」
「罠?でしょうか?」
「でも、僕達には今、これしか手がかりがない……行って見よう」




