第四話 〜魔王〜
私はレイン。
かつて、悲哀の勇者と呼ばれ、魔王となった霧の勇者を倒した。
彼は壊れてしまった。
深い悲しみの中、自我を忘れ、世界を瘴気で満たそうとした。
生き物すべてが生きられない世界に変えようとした。
救えないならば根絶やしに。
そんな思想だったのだと思う。
私は、多くの仲間を失った。
その屍の上に平和があった。
誰も苦しまない世界が必要だった。
だから支配する事にした。
弾圧し、力で支配した。
世界は私の掌にある。
従わない国は見せしめの為に滅亡させた。
今、世界は私のルールの元、平和だ。
魔族や魔物を蔓延らせれば魔王を忘れることも無い。
私は世界を平和にしている。
恐怖という共通認識の元、世界は平和なのよ。
なのに何故、神はそれを邪魔するの?
永遠を与えるなら、私を否定するな。
「懐かしい感覚ね」
世界に響く波動。
聖剣が勇者を見出すオーラが私の所まで伝わってきた。
「エヴァン……私が作った平和を脅かすなら許さないわよ」
そう、私の作り出す平和がこの世界の安寧。
邪魔をすると言うのなら
「バルギアス」
「はっ!女帝陛下」
「その呼び方はおやめなさいな。勇者が現れたわ。生み出した国を消してきなさい」
「ククク、勇者ではなく、国で良いんですか?」
「聖剣を甘く見ないことね。故郷を消して逆らう愚行を思い知らせるのよ。立ち上がる気も起きないくらいにね」
「仰せのままに……女帝陛下」
「あなたも消すわよ?」




