↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/17

第十四話 〜終わらない戦争の先〜

あれから何年経ったのだろう。


僕たちは魔王レインを倒し、世界の平和を勝ち取ったと思った。


平和な世界で、人々は分かり合えると考えていたんだ。


それなのに……


エレンはもういない。


イシュトは壊れてしまった。


紛争は無くならない。


800年……もう800年以上が過ぎたんだ。


何時も戦い続けた。


世界はそんなに甘くは無かった。


そして人の心も甘くは無かったんだ。


仮初の平和は貧富の差を生み出した。


貧しいものは裕福なものにより搾取され、裕福な者はその欲望を大きくしていく。


国も大きくなればより大きくしようと侵略が始まるんだ。


なぜ?

なぜ?人同士が争うのだ?

なぜ?

なぜ?搾取を繰り返すのだ?

なぜ?

なぜ?手を差し伸べない?


こんな、どうしょうもない人間たち。

どうしょうもないのに……救いたい。


放り出す事はできない。


僕は勇者なんだ。

正義の勇者ゼノスなんだから。


どうすれば救える?


どうすれば争わない?


なぜ、レインは魔王になったんだ?


なぜ勇者が……


そうだ、みんなが魔王を恐れていた。


戦争どころではなかった。


手を取り合わなければ生きられなかった。


敵を作ればいい!


共通の敵を!


人々が争わない為の共通で最強の敵!!


僕が魔王になれば救えるんだ!


あぁ、ルナ……もうすぐだよ。


もう直ぐ、君との約束が果たせる。


僕が平和な世界を作ってみせるよ!


「ハハ…ハハハ……ハハハハハハ!!」


ーーーーーー


最も発展した国をターゲットにした。


魔王として君臨し、人々に恐怖を与える為にはより大きな衝撃が必要だったのだ。


空中に浮かぶゼノス。


「——喰らえ」


黒き瘴気が、空を裂いた。


街を覆うように現れた“爪”が、音もなく、大地ごと抉り取る。


「ブラックファング•インフェルノ」


ゼノスが魔王レインから受け継いだ力。


巨大な瘴気の爪が街の三分の一を廃墟にする。


突然の襲撃に逃げ戸惑う人々。


「ハハ……ハーハッハッハッハ!!!」


嗤う。


——嗤うしかなかった。


「我は魔王!!魔王ゼノスである!!我が前に服従はない!!命の灯火を捧げよ!!」


高笑いをしながら2度、3度と放つ。


頬を伝うものがあった。


——涙だった。


ただ、 誰も気付くことはない。


いや……


気付いてはならない


守ろうとしていた人々を己の手で屠る。


世界のための犠牲。


自分でもわかっていた。


最善であっても最良ではない。


後戻りはできない。


……誰か止めてくれ


この地獄を


——この私を。


誰か………


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。