バチバチお食事会
今回は意外に早く、ドレスの生地を選んだ。意外に早く終ったので、昼すぎ頃から事業の話をしていると、公爵様が来訪される。今の時刻は午後17時。夕方だ。
二人で顔を見合わせるが、どうやら先日貸した毒恋を返しにきたらしい。使用人経由から返してもらってもよかったのだが、ディナサンが......。
「大事な話は終ったし。浮気と勘違いされて、姫さんが攻撃されるとあかんから、公爵様も同席してもええよ」
と許しを貰ったので、お伺いを立てて、結果彼も夕食に同席することに。
部下の人たちは別の部屋で夕食を取ってもらい、私たちはいつもの部屋で食事を取るべく、そちらに向かった。
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「これはこれは。ヴァーレンス様、お久しゅうございます~」
「久しぶりだな。景気の方はどうだ」
「それはそれは。姫さんのおかげで稼がせてもらってます」
挨拶はそこそこに。お互い着席すると、この日の為に用意した、レゴたちが腕によりをかけた料理や、貴重なワインが運ばれてくる。
「おまえは酒は飲まないのか?」
「姫さんは下戸やから飲めへんのや。あ、姫さん、ジュースついだろか?」
「ブルーベルに注いでもらうからいいわ。そういうのは給仕にしてもらいなさい」
というと、後ろで控えていたブルーベルとアイシャがワインボトルとブドウジュースのボトルをもって空のグラスに注ぐ。
気のせいだと思うけど、なんだか二人共バチバチしてない?
「そうか、ひとつ勉強になった。次の晩餐会の時は最高級のジュースを用意しておこう」
「高級なもんも大切ですけど、一番重要なのは品質と味やろ。姫さんの舌はその辺の人間と比べると肥えてるさかい、納得できる品物を公爵様は見つけられます?」
「......あのさ、折角夕食を一緒に食べてるんだから喧嘩はやめよう?ほら、スープ運ばれてきたし、冷めちゃうでしょ」
今日のスープはディナサンも絶賛してくれた牛の乳をつかったコーンスープだ。隠し味で東方の国の調味料、味噌を使っているのがポイントだ。
「喧嘩しとるつもりはないんやけど......お、これ、姫さんが考えたあのスープやろ?また食べられるなんて、僕幸せもんやわぁ」
「......おいしいな。濃厚で甘味があって美味しい......」
スープは絶賛してくれたようだ。続いてステーキにふんわりパンもろもろ出して、そのどれも美味しいという反応をくれた。
「ところで、リーゼロッテ。今日食べた料理のレシピ、ぜひ俺に譲ってもらえないだろうか。こんなに美味しい食事は初めてだから、屋敷でも食べたいのだ」
「え。ん~渡すのも説明するのも面倒だなぁ......」
「せやったら、僕も欲しい」
「んん~まぁいいか」
「ディナサンはよくて俺は駄目なのか?」
ディナサンはいつもお世話になってるし、レシピを渡すくらいいいかなと。
ちょっと面倒だなといった反応をしただけなのに、うなだれて肩を落とす公爵様。
子供っぽい反応。クールな見た目なのに似合わなくて、つい噴き出してしまう。ディナサンも私と同じ気持ちのようで、腹を抱えて笑いを吹き零す。
「――ふッ!ははははッ!公爵様ハブられてらぁ!はぁ~腹痛ッ!」
「......そんな残念そうな顔をしなくても、レシピくらいあげますよ。その代わり、わからなくても自分で調べてくださいね」
レゴに言ってレシピを書き写したものを二人に渡した。とりあえず、パンとスープと主菜のレシピを3枚ずつ。
二人は喜んでいたので、これはこれで渡してよかったなと思う。
お腹も満たされて、のんびりとしているともう21時を回っていた。




