京君って…
仁保…仁保 吉継三中2年1組 コンピュータ好き
代田先生…代田 神楽2年1組担任
奥山…奥山 呉羽三中2年3組 殺されてしまう
京… 京 東洋三中2年4組 奥山の友達
(4)京
敦賀第三中学校、2年4組教室。昼休み、京 東洋は読書中。
「ねえ、君。京君だね。」
代田先生がたずねる。
「はあ。」
京は面倒くさそうに答える。
「なんスか。」
「いや、その…。君、奥山君と友達だよね。奥山君のことで、何か知っていないかい?」
「え? 警察にも聞かれて答えましたけど…。」
「あ、そうなんだ。それ、ぼくにも聞かせてくれない?」
「え~、先生って、それを聞いてどうするんスか?」
「まあ、やっぱり学校の生徒が亡くなったわけだし、ねぇ。」
「ねぇ、と言われても…。犯人を逮捕してくれるんスか。」
「いやぁ、逮捕は警察が、ねぇ…。」
代田先生、どうもすっきりしない。
「まあ、いいっスけど。」
京の話はこうだ。
奥山から通信機器での不正の話を持ちかけられたのが、1カ月前。次のテストでは、京のためにやってやると言うので、京も協力することになった。いけないと知りつつも、テストの点数がアップするならと、不正を手伝ってしまった。
京がテスト用紙を眼鏡型カメラで、学校の外で待つ京の兄に送信し、問題を解いた答えを奥山へ送信していたのだそうだ。京の兄は、市内でも有数の進学校に在籍する高校生だ。
ところが、テストが終わってみると、通信機器を購入した電気店の人から奥山が責められたと聞いた。奥山は知らんぷりをして、やり過ごしたらしかった。自分が知っているのは、それだけだ、と。
「なるほど~。そうか~。」
代田先生の生返事。京の話からは、特に新しい情報はなかったようだ。テストの不正を糾すことはしないようだが…、いいのか代田先生!
「じゃ、そういうことで。」
京が立ち上がった。
「あっ、京君。君は、12月のあの晩。奥山君が殺された晩は、どこにいたの?」
「あぁ、アリバイっスか。警察にも言いましたけど、家でゲームやってました。まぁ、証明はできないっスけど…。じゃ。」
「そっか~。なるほど…。京君は何も関係がないのか~。」
代田先生もクラスへと戻っていく。トイレの手前の角で、京が振り向いた。その目は、中学生とは思えないほど暗く鋭く輝いていた。
「えっ、京…?。」
たまたまその様子を見かけた仁保は、京が代田先生に投げかけた暗く鋭い目の光を見逃さなかった。代田先生を追いかけて来て、ちょうどトイレの角で京を見たのだった。
「京…、お前、まさか…?。」
三中殺人事件は、さらに混迷の度を増していく。




