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18/19

暴く

仁保(にほ) … 仁保(にほ) 吉継(よしつぐ) 2年1組

代田(よた)先生 … 代田(よた) 神楽(かぐら) 2年1組担任

常(つね)先生 … 常(つね) 永大(えいだい) 2年2組担任

奥山(おくやま) … 奥山(おくやま) 呉羽(くれは) 2年3組 殺されてしまう

京(きょう) … 京(きょう) 東洋(とうよう) 2年4組 奥山の友達

夢美(ゆめみ) … 常宮(つねみや) 夢美(ゆめみ) 2年2組生徒


(18)暴く


 3月になった。

 敦賀の街にも、少しずつ春の便りが届き始めた。

 三中殺人事件は、すっかり忘れ去られているようだった。

 たった一人を除いては…。


 それは、オレだ。


 オレは、ついに京を呼び出した。

 3月初めの夜。

 気比の松原だ。


 名勝 気比の松原。日本三大松原の一つ。長さ約1kmに渡り、約1万7千本の赤松・黒松が並ぶ白砂青松の観光地である。


 3月の夜、さすがの松原にも人の姿はない。


「京、夜にわりいな。」

 オレは、まずは低姿勢で言った。

「いや。いいさ。小学校以来かな。」

 京も、久しぶりの小学校の同級生からの呼び出しに、怪訝な面持ちだ。


 オレは、単刀直入に切り出した。

「京、お前がやったんだろ? 全部。」

 京は、顔を伏せた。

「は? 何のことだ?」

 オレは、すべてを解き明かした。

「京、オレはすべて分かったんだよ。お前がしでかしたすべてを…な。」

 京は、少し顔を上げた。眼があの光を帯びた。

「だから、何をやったって?」

「京、お前が常先生を脅して、人殺しも火事もすべて操作してたんだろっ!?」

「はぁ? 何をバカなことを…。」

「お前のスマホの動画を見つけたんだよ…。悪かったよ、勝手に見てしまって…。だけど、京、お前はあれをネタに常先生を脅してたんだろっ?!」

 京が黙り込んだ。

「常宮にも聞いたよ。常先生も自分も、お前に脅されたってな!」

 京の表情が、翳りで覆われた。

「常宮か…。チッ。」


 オレは順に解き明かしていった。

「京、お前は常先生と常宮の関係を偶然知ったんだろう。問題の場面を動画で撮影した。

 それをネタに、まずは常先生を脅しにかかった。

 テストの不正で電気屋とゴネていた奥山を、教室で殺させた。教室の動体センサーが働かなかったの

 も、常先生が警備を解除していたからだ。ドライバーに電気屋の指紋があったのも、お前の指示だろ

 う。」

 京の表情が歪んでいく。

「おそらく常先生に、電気屋に忍び込ませるか、家電の修理とかで電気屋を家に呼び込んで、指紋付きの

 ドライバーを確保させたのだろう。

 そして、電気屋で火事を起こし、裁判を苦にした自殺と見せかけて電気屋さんも殺させた。」

 京は動かない。

「しかし、常先生が自殺したことで状況が変わった。常先生が脅されていたことを、まさかどこかに書き

 遺していたりしたら? お前は相当あせっただろう。

 しかし、常先生は自身の罪を背負って自殺した。お前に疑いがかかることはなかった。

 お前は安心したんじゃないのか?」


 京が、手をポケットに入れた。

「オレ達は、奥山を殺したのは電気屋さんだと思わさせられたが、実は常先生だった。そして電気屋さんを殺したのも常先生だ。そして、常先生はすべてを背負って自殺した。

しかし、すべてを裏で操作していたのは、京、お前だっ!」


 京の顔色が変わった。

「…っ! …の野郎っ!」

 京がポケットから何かを取り出し、こちらに向かってきた。


 その時だった。

 松原の海岸が光に照らし出されたのだ!

 松林の各所から、何本ものサーチライトがこちらを照らし出していた。警察だった。

「警察だっ! 動くなっ!」

「くっ!」

 京の動きが止まった。

 手にはナイフか何かだろうか、キラリと光る何かを持っていた。

 オレを襲うつもりだったのか?

 まさか殺そうと…?


「仁保君! 大丈夫?」

 代田先生だった。時には頼りになる~。

 先生が警察を呼んでくれていたのだ。


「…くそっ!」

 京が駆けだした。砂浜を後ろへと。


 その時だ。

「待てっ! 止まりなさいっ!」

 怒声が鳴り響き、警察官が走り込んできた。


 京は逃げようともがいていたようだが、警察に確保された。


 代田先生~、ありがとう~。助かったよ~。


 三中殺人事件は、こうしてすべてが解き明かされたのだった。


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