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スマホだ!

仁保(にほ) … 仁保(にほ) 吉継(よしつぐ) 2年1組 コンピュータ好き 特技はネット上のパスワードを破ること

代田(よた)先生 … 代田(よた) 神楽(かぐら) 2年1組担任 推理好き

常(つね)先生 … 常(つね) 永大(えいだい) 2年2組担任 自殺してしまった

京(きょう) … 京(きょう) 東洋(とうよう) 2年4組 殺された奥山の友達

夢美(ゆめみ) … 常宮(つねみや) 夢美(ゆめみ) 2年2組生徒


(15)緊急地震速報


 さすがの仁保も、これ以上は無理かとあきらめかけていた。


 そんなある日の授業中、敦賀の街が揺れた。地震だった。敦賀市近辺では珍しい程の結構な揺れだった。震度3との報道を後で知った。

 教室の後ろの方で、緊急地震速報が鳴り響いていた。誰かのカバンの中からだった。


 三中では、最近の物騒な世の中を憂慮して、保護者の申し出によりスマホを学校に持ち込むことが許可されていた。ただし、朝学活で電源を切って担任に預け、下校時に返してもらうシステムだ。

 つまり、カバンの中にスマホが入っていることはないはずだった。なのに、誰かのカバンからは、電源を切り忘れたスマホが緊急地震速報を鳴らしていた。「ヴィ~、ヴィ~、ヴィ~!」という、あの独特の警報音だった。


「はい、では授業をちょっと中断して、持ち物検査をします。預けないといけないスマホが、誰かのカバンに入っているようですね。」

 それぞれのクラスで、緊急持ち物検査が始まった。

「え~っ! さいあく~!」

「やべ~!」

「あ~ぁ。」

「順に自分のカバンを持って、自分で開けて見せてください。はい、○○君から。」


 いくつかのクラスで、内緒で持ってきていたスマホが没収されていた。


 その時、オレはひらめいた!

(スマホだっ! 京のスマホだっ! おそらくあいつも持ってきているはず!)

 休み時間、オレは代田先生を探していた。

 いたっ!

「代田先生っ! お願いがっ!」

「おっ、仁保君。どうした?」

「スマホですよ! スマホ! あいつの、京のスマホを見せてほしいんです!」

「え、京君の? 京君は確か2年4組だったな~。それが、何か?」


 オレは代田先生に、先日の気比神宮での二人の様子を話した。

「なるほど~、スマホか…。ちょっと待ってて。ホントはダメなんだけどな~。しょうがないな~。」


 代田先生は職員室から、2年4組の預かっているスマホを入れたスマホボックスを持ってきてくれた。代田先生~、時には頼りになる~!

「でも、どれが京君のか分かるの?」

「大丈夫、この間、見た。あれは最新のiPhoneだった。カラーはグレイ。これだ!」

「でも、パスワードが…。えっ? パスワードを…、解いちゃったの?」

「先生、オレの特技、知ってるでしょ? これですヨ。」

 ネット上のパスワードを解析し、こじ開けるのがオレの趣味。スマホのパスワードも、だいたい同じパターンだった。

 パスワードは8桁。京の誕生日は、平成20年5月18日。「20080518」と入力。ビンゴ! 京のスマホが開いた。

 みなさん、パスワード=お誕生日というパターン、やめた方がいいですよ!


 写真フォルダを開いてみる。

 日をさかのぼっていく。8月頃にたどり着いた辺り、それらしいものを見つけた。

「これだっ!」

「えっ、何、何?」

(何だろう…、これ。写真と、同じアングルで動画も…。えっ? これはっ!)

 敦賀市内には数少ない例のホテルだった。普通のホテルではない、そう、男女で利用するホテルだ。そこに黒のランドクルーザーが入っていく動画。

 写真は、その動画の一場面を写したものだ。男は常先生、そして女は…。


 常宮だった。


 まさか、教師が教え子と男女の関係に…。

「これは…、やばい…。」

「まったくだ…。」

(そういうことか! 京は常先生のこの秘密をネタに、脅しをかけていたんだっ! しかも常先生の次は常宮にも…?)


 三中殺人事件、急展開っ!?


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