ついにたどりついた
彩葉 … 気比 彩葉 三中2年1組
仁保 … 仁保 吉継 三中2年1組 コンピュータ好き
千里 … 松原 千里 三中2年1組
代田先生 … 代田 神楽 この2年1組担任 推理好き
常先生 … 常 永大 三中2年2組担任 新任体育教師
(10)怪しい人物
翌日も仁保は、放課後さっさと学校を後にしようとした。その時である。
「お~い。仁保君。」
代田先生であった。
「ちょっと聞きたいことがあってね~。ちょっと待ってくれる?」
「なんスか?」
「いや~。彩葉さんとか、千里さんから聞いたんだけど…。君、危ない橋を渡っているとか…。」
「ちっ、あいつら…。」
仁保の舌打ちを、さすがの代田先生も、見逃さなかった。
「おい、おい。本当なのかい? やめた方がいいよ。一人でなんて…。」
「いや~。でも、真犯人に近づいているんスよ。絶対、見つけてやろうと…。」
仁保の目は、いつになく真剣だった。
「そうか~。じゃあ、先生にも、手伝わせてくれるかい?」
「えっ?」
「怪しいのは、敦賀以外にもいるんだろ? 車で回ってあげるよ。」
「ホントっスか! どうしようか考えてたんスよ。」
「だろ! 乗ってけよ!」
「あざ~ス。」
(代田先生も、たまには、頼りになるじゃん…。)
「ん…。何か?」
代田先生も、たまには、頼りになるようである。仁保は家にも戻らずに、代田先生の車で出発した。
敦賀市内には、昨日の5台の他にまだ17台の登録データがある。スマホのナビとともに車のナビも活用して、次々に探り当てることができた。
どれもこれも、普通の家の普通の人に思えた。
「どの家もフツーだ…。」
「そうだね~。普通のお家だね~。」
夜になっていた。
17台目の登録データ先の家は、美浜町との境に近い山奥になっていた。
「広い敷地だね~。」
「そっスね…。」
駐車してある車のナンバーは「2601」。黒のランドクルーザーだ。
「あれ、あの車は、常先生のじゃないのかな…?」
「えっ! そうなんですか!」
(怪しい車を追っていたら、三中の先生にたどり着いた…。しかも、体育教師…。怪しい…。まさか、常先生が真犯人ということなのか…?)
「どう思います? 代田先生。」
「ここは常先生のお家だったんだね~。」
「そういうことじゃなくて…。」
「いやぁ、カッコいい車だね~。」
「そうじゃなくて!」
「まさか、常先生が真犯人だとでも?」
「だって…。」
「いや~、それはないでしょ~。だって三中の先生だよ。それはないんじゃないかな~。」
「でも車を追ってきたら、ここに…。ということは…。」
「それはそうなんだけど…。常先生はいい先生だよ~。」
(それはそうかもしれない…。しかし、オレを殴ったヤツの車を追跡したらここに来た…。しかも三中の関係者…。)
「確たる証拠が必要ということか…。」
「おっ、なんか探偵さんみたいなことを言うね~。どうする? とりあえず敦賀市内は回ったし、今日はこの辺で…。」
「はい、そうします。」
と言ったものの、オレの頭脳は回転し続けていた。
(どうすれば、常先生が真犯人だという証拠をつかめるのか…。くそっ。ここまで近づいたというのに…。)
どうする? 仁保探偵!




