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―第96章― 千夏が1月を生き永らえる為の死神の「欣喜」

 冬の透き通った空気の下、体育祭の定番である表彰式のBGMが、どこか誇らしげに響き渡る。

「優勝、チーム12.鈴木隼人、飛鷹迅、遊馬想空、森田理恵、穂積鈴」

 アナウンスと共に、優勝を果たした彼らは表彰台の上へ登った。

 授与されたメダルを掲げて、子供のように無邪気な笑みを浮かべる奴。

 どこかの金メダリストに触発されたのか、誇らしげにそのメダルを噛んでおどけて見せる奴。

 それに呆れながらも、口元に隠しきれない笑みを浮かべて宥める奴。

 そっと胸をなでおろし、ようやく訪れた安堵を噛み締める奴。

 そして、これまでの全ての未練を振り切ったような、飛び切りに晴れやかな顔をしている奴。

 千夏はその表彰台の目の前で、誇らしげな笑顔を浮かべていた。

 飛鷹が表彰台を降りて、半ば無理矢理千夏を表彰台に乗せた。

 肩を組み合って、抱きしめ合う。

「ほんと、心配させんなよな」

 沸き立つ人だかりの隅で、俺は誰にも聞こえない声で小さく呟いた。

 彼らの歓喜が、冷たい冬の空気を確かに熱く染めていた。


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