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―第79章― 敗北に怯える為の鈴の「怯懦」

 12月25日、クリスマス。

 ツリーに飾られたオーナメントやイルミネーションが煌々と夜を彩っていく。

 1ヶ月ほど前から企画していた6人のクリスマス会に向かいながら、自分だけがその景色から置いて行かれたように、イマイチその浮ついた気分に乗れない。

「おはよう」

 千夏や理恵の手で飾り付けられた病室を何の感情も乗せずに見つめる。

 頭は霊に取りつかれたように重たく、感情は覆い隠される。

 私は敗北という恐怖に怯えているのか。

 来月のミッションがスポーツ大会の優勝と聞いてから、ずっと手汗が止まらない。

 自分はその場の雰囲気ばかりで、勝利に値する人間じゃないから。

 みんなの足を引っ張ってしまうかもしれない恐怖心。

 またあの期待から失望に落ちることへの恐怖心。

 みんながわいわい騒いで、ケーキを頬張る笑顔もプレゼント交換をしている姿も水墨画のように、全てがモノクロに映ってしまう。

 笑うべき、楽しむべきイベントなのに、口角が引きつって心が折れそう。

 怖い。

 逃げたい。

 今度はしっかり立ち向かえると思っていたのに、実際に目の前にすると逃亡欲は消えずに私の心に棲みついていた。

 病室からの帰り際、冷たく寂しい夜がそのまま私を包んだ。



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