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―第74章― 志望校選択の為の理恵の「混沌」

 空は恨みたくなるほど爽快に晴れていたが、近いようで遠く、私の心の釈然としない部分を解いてはくれない。

 4人はもう志望校が決まっていて、千夏も勉強に真っ直ぐに向き合っている。


 隼人はテニスの推薦私立高校に進学予定。

 偏差値は自身のレベルより少し高いけれど、周囲から刺激を受けて頑張ってみようと意気込んでいた。

 飛鷹はサッカー部に入るかは躊躇していると言いながらも、サッカーが強いと有名な公立高校を志望。

 鈴は自分の偏差値に合っていて、家に近い公立高校。

 想空は自分の好きな授業を選択できる単位制の私立高校。

 他のみんなは、第一志望の高校に対してある程度の希望を持っているのに、私は受験勉強の合間にすら、その高校に行きたくないと、心の内に呟いてしまう。

 実体のない未来を希望的に見るのは苦手だし、どう転んでも満足できる高校生活を送れないと思う。

 自分から交流する気はないから友達はできないだろうし、運が悪ければ虐めに遭うかもしれない。

 それを考え始めると、何処にも行きたくない気持ちに陥る。

 それに、必死に頑張れる人間じゃないのに、くだらないプライドから偏差値が高い学校が良いと思ってしまう。

 それ以上の利点がある訳でもないのに、無責任にもそう考えるし、だからと言って真剣に努力する気持ちは湧かない。

 自分には頭脳以外に長所がないから、世界を覗けば私より頭がいい人なんて五万といるだろうに、偏差値70程度の頭の良さにプライドを賭けてしまう。

 自分より頭が悪いと思っていた人が自分よりも偏差値のいい高校を口にしたら、自分の存在価値が薄まっていくようで怖くなる。

 誰もそんなことは気にしてないし、気にしてるのは自分だけだと分からながら、それを言った人を恨みたくなってしまう。

 もし、偏差値のいい高校に合格しても、学校内で頭が悪いに分類されると、このプライドはさらに傷つけられる。

 そう思うと更に怖くなって、もう選択させないでくれなんて高校が義務教育化されていないことを恨んだりしてる。

 どんなに考えても結論は出ずに、不毛な時間ばかり過ぎていく。

 小学生の未来想像図はもっと晴れ晴れとしてたはずなのにな。

 私の心がどんなに荒んでもこの空は相変わらず、青く漂っていた。


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