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―第66章― 千夏が11月を生き永らえる為の鈴達の「賑宴」

 入場口には千夏のアイデアの風船アーチが聳え立つ。

 養護施設の子供たちが描いた可愛らしいお絵かきが、一つ一つの風船に施されていて、その温かみがアーチ全体を愛おしいものにしている。

 広場の中央には、色とりどりの野菜と果物が山のように積まれて、自然の恵みがそのまま形になったかのように鮮やかで生命力に満ちていた。

 私が企画したサツマイモの食べ比べコーナーも、根岸さんがそれぞれの品種の特徴を熱心に説明して、多くの人が興味深そうに集まってきている。

 想空が企画した手作りクラフトのブースも、子供連れやお年寄りの方々が次々と訪れ、想空は笑顔を浮かべながら楽しそうに接していた。

 飛鷹が企画したトラクターでのレースは、挑戦者が絶えず、ゴールスピードランキングが次々と塗り替えられ、会場は熱気に包まれている。

 理恵が企画した野菜クイズ迷路は一際大きな存在感を誇っていて、多くの人々の笑い声や叫び声を響かせていた。

 隼人が企画した食材総選挙のブースも新鮮で美味しそうな食品がずらりと並び、小さな女の子が胸を張って、「これ、私が作ったんだよ」と誇らしげに笑う声が聞こえてくる。

 広場は多くの人々の笑顔に満ちていた。


 ヒヤリとした秋の夜風が頬に当たり、寄せては返す波のように変化する風が障った。

 人波の向こうに死神さんが佇んでいた。

 その姿はまるで糸が切れたように憔悴し、異様なまでに疲れ切っていた。

「収穫祭の企画・運営ありがとな」

 目の前に立つ飛鷹の肩に、死神が手を乗せる。

「あ、ああ。なんか疲れてねえか?」

 首を傾げて、頭を掻きながら答える。

「いや、いつも通りだよ」

 しかし、疲労を隠し切れず、その場でよろけそうになる。

「や、大丈夫。大丈夫」

 違和感極まりないその表情。

 黄金色の稲穂がさざめくように揺れる中、薄氷を踏むような緊張感に支配されていた。


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