―第34章― 部活動の引退試合の為の理恵の「単調」
3回戦目の相手はやはり段違いに強かった。
卓球に対する心持ちも、この試合に対して抱く思いも相手の方が遥かに強い。
これで勝てる訳がない。
点数表は1セット目の1-3を示し、点差はそれほど開いていないのにも関わらず、どうせという言葉が心のうちに漏れてしまう。
取れた一点も相手の強打ミスだし、サーブだって触れるだけでコートに返る兆しすら見えない。
相手ペアが着々と点数を積み重ねていくのに比例して、私達のミスの量はどんどん増えていく。
どうせ、このまま終わるんだろうな。
淡い意識の中、私は冴えない脳のままラケットを振りかざした。
どんなに粘ったところで、負けは変わらないのに振る意味があるのだろうか。
そう考えてしまう時点で、私にこのペアに挑む資格はない。
このまま帰ったら、どうせ後悔するんだろうな。
もうちょっと真剣に取り組めばよかったとか、誰もが思い浮かぶ他愛もない後悔に埋もれる。
分かっていたけれど、こんな私にはその選択肢しかなかった。
点数表は3セット目の3-11を示し、あっけなく試合は終わった。
僅かに希望を持っていたのかもしれない。
千夏の件で、奇跡が起きたから今回もなんて心の隅で感じていたのかもしれない。
だけど、そんなことは起きずにあっけなく散っていく。
真剣に取り組んでいないのに、そんな簡単に奇跡が起きるはずもないか。
心の内で小さく呟き、溜息を吐いた。
圧倒的差での敗戦。
ベスト64か。
可もなく不可もなく、平凡。
梅雨の時期特有の不快で湿った風に晒されて、心がざわついた。




