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―第20章― 6人と楽しい時間を送る為の鈴の「探訪」

 6人での校外学習に段々と終わりが近づいてきていた。

 お土産を買うために入った小町通りは焼き煎餅の香ばしい匂い、ソフトクリームの甘い匂い、観光客の笑い声など、色々なものが入り混じる。

「賑やかだね」

 そう理恵に向けて呟いた声は通りの音に掻き消された。

 終わりが近づくにつれ、鬱陶しかったその賑やかさが段々と愛おしくなってくる。

「千夏は買いたいものある?」

 店内を回っていくと、千夏は可愛いやら面白いやら、格好いいやら、コロコロとタブレット上で表情を変えていく。

 一つ一つの商品に感動して、表情が明るくなる。

「これ、可愛いよ。3人でお揃いの買おうよ」

 千夏が指さしたのは大仏の可愛らしい絵があしらわれたおみくじチャーム。

 小学生の修学旅行でおみくじ付きシャープペンを買って、即、壊したっけなんて、過去のことを思い出して微笑む。

「いいね。買おう」

 赤が勝利で、桃色が絆、紫が健康で、青が学業か。

「どれがいいか決まったら言ってね」

 千夏が腕を組んで悩む表情を見せる。

 学業や勝利は一歩前に出て本気で頑張る事のできる人の守り神だから、私には向いていない。

 健康も私なんかより千夏に授けて欲しい。

「「決まったよ」」

「いっせーの」

 同時に指を指す。

「私は赤ね」

 タブレット越しの千夏が「やっぱどれにでも当てはまりそうなのは勝利でしょ」と得意げな笑みを浮かべている。

 理恵は学業を指さしている。

 2人とも、一歩前に出て本気で頑張れる人だから。

 羨望と諦観の滴が心の淵に落ちた。


 小町通りを抜けると、空は微かに夕焼けの兆しが見え始めていて、奥がうっすらと黄色味を帯びていた。

 もう終わってしまうのか。

 あっという間だったな。

 終わりたくないって思ったところで時間は過ぎていく。


 鶴岡八幡宮の鳥居を潜っていく夕焼けが哀愁を帯びた。

 終わりの時を告げるが如く、それは静かに通り過ぎていった。



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