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101/103

―第101章― 大切なものを失わない為の死神の「断行」

「ま、今の所、実害はないし、いざとなったら頼るから」

 俺のその言葉に押し出されるように6人は家を抜けて、下界に戻っていった。

 彼らの背中はどこか遠く、酷く雄々しく映った。

 だが、俺に彼らを頼る気は毛頭なかった。

 自分の犯した不正、その不始末は自分の手でケリをつける。

 それがこの世界に対する最低限の筋通しだ。

 そう言い聞かせなければ、心が揺らいでしまう。

 もし一度でもまた彼らと手を取り合ってしまえば、「またこの混沌をどうにかしてくれるんじゃないか」って、一度捨てたはずの希望を、また醜く抱いてしまう。

 それに、今回やり過ごせたとしても、この無謀な不正にはいつか終わりが来る。

 最悪の場合、報いとして待っているのは6人と俺と西川の死という報復。

 これ以上、火種が大きくならないうちに、幕を引く覚悟を決めた方がいい。

 だが、ふと思考の隙間に弱さが顔を出す。

 ただ、もし、彼らに縋ることができたなら、この擦り切れた心はどれほど楽になるだろうか。

 けれど、それは彼らをもう一度、死の恐怖に追いやることに他ならず、彼らの命という重すぎるリスクが付き纏う。

 己の心の平穏の為だけに、そんな代償を背負わせる訳にはいかない。

 もともと、たった一人でこの50年の月日を、死神として歩んできたんだ。

 終わりがたった1人であろうが、恐れる理由などどこにもない。

 もう、自分の中で何を選ぶかは決まっていた。


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