第九話「皇后の本心」
皇后が、また美那を呼んだ。
「先日、星は交わらないと言いましたね」と皇后は言った。
「はい」
「嘘でしたか」と皇后は言った。
美那は、皇后を見た。
「……はい」と言った。「申し訳ありません」
「正直ですね」と皇后は言った。
「星読みは、正直でなければなりません」と美那は言った。「遅くなりましたが」
皇后は、少しの間、美那を見た。
それから、意外なことを言った。
「本当のことを言いなさい。星は、どう出ていますか」
「強く、交わっています」と美那は言った。「これほど強く交わる星を、私は他に見たことがありません」
「そうですか」と皇后は言った。
「追い出しますか」と美那は言った。
「なぜそう思うんですか」
「先日、わきまえるよう、おっしゃったので」
皇后は、少し笑った。
「晴琉は、ずっと一人でした」と皇后は言った。「皇帝の弟というのは、孤独なものです。誰も、本当の意味で近づかない」
「はい」
「あなたは、近づきましたね」と皇后は言った。「星読みとして、正直に」
「正直にしか、できないので」と美那は言った。
「それが、良かったのだと思います」と皇后は言った。「追い出しません。ただし、晴琉を惑わせないように」
「惑わせるつもりはありません」と美那は言った。「ただ、傍にいたいと思っています」
皇后は、美那を見た。
「それで、十分です」と言った。
(第九話 了)




