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星読みの女――後宮に咲いた恋  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


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7/10

第七話「宮廷の風向き」


風向きが変わった。


皇帝の体調が、優れなかった。


後宮全体が、静かに緊張した。


跡継ぎの問題が、ざわめき始めた。


晴琉に、呼ばれた。


後宮の外の、王府へ来るよう、使いが来た。


美那は、王府へ行った。


広かった。


後宮より、広かった。


しかし、なぜか、後宮より静かだった。


人が少なかった。


晴琉は、庭にいた。


池を見ていた。


「来てくれましたね」と晴琉は言った。


「参りました」と美那は言った。


「座ってください」と晴琉は言った。


格式ばらずに言った。


二人で、池のほとりに座った。


「星を読んでほしいんです」と晴琉は言った。「今後のことを」


「皇位のことですか」と美那は言った。


晴琉は、少し驚いた顔をした。


「分かりましたか」


「星を読まなくても、分かります」と美那は言った。「今の後宮の空気を読めば」


「俺は、皇位を望んでいません」と晴琉は言った。「しかし、周りがそうさせようとする動きがある」


「知っています」と美那は言った。


「星は、何と言っていますか」


美那は、空を見た。


昼間だった。


星は見えなかった。


しかし、読めた。


「あなたの星は、権力を望む星ではありません」と美那は言った。「あなたが皇位に就いても、長くは続かない星です」


「では、避けた方がいい」


「あなたらしくない道は、星が拒みます」と美那は言った。


晴琉は、池を見た。


「あなたに言われると、信じられます」と言った。


「なぜですか」


「あなたは、俺に都合の良いことを言わないから」と晴琉は言った。


池に、風が吹いた。


水面が、揺れた。


(第七話 了)


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