4/10
第四話「皇后の命」
第四話「皇后の命」
皇后が、美那を呼んだ。
「晴琉王爺と、親しくしているようですね」と皇后は言った。
「星読みをお求めになったので」と美那は言った。
「それだけですか」
「それだけです」
皇后は、美那を見た。
美しい顔に、鋭さがあった。
「晴琉は、自由な人間です」と皇后は言った。「皇帝の弟でありながら、あまり格式にこだわらない。それが、時に問題になります」
「はい」
「あなたは、星読みです」と皇后は言った。「身分の差を、わきまえてください」
美那は、皇后を見た。
「わきまえています」と言った。
「本当に?」
「星を読めば、分かります」と美那は言った。「王爺と私の星は、交わる星ではありません」
「そうですか」と皇后は言った。
少し、表情が和らいだ。
「では、安心しました」
部屋を出た。
廊下で、美那は少しだけ立ち止まった。
交わる星ではない、と言った。
しかし、それは本当だろうか。
星の読み方は、絶対ではない。
祖母もそう言っていた。
星は、可能性を示すだけ。
選ぶのは、人間。
自分は、何を選ぶのか。
美那は、また歩き始めた。
(第四話 了)




