表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星読みの女――後宮に咲いた恋  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
3/10

第三話「夜の天窓」


その夜、美那は天窓から星を見ていた。


日課だった。


星を読むためではなく、見るために見ていた。


祖母に教わった。


「星を読む前に、まず見なさい。何も考えずに、見なさい」


祖母はそう言っていた。


コンコン、と扉を叩く音がした。


こんな夜中に、誰かと思って開けると、晴琉がいた。


「驚きましたか」と晴琉は言った。


「驚きました」と美那は言った。「王爺が、夜中に星読みの部屋を訪ねることは、普通ではありません」


「普通ではないですね」と晴琉は言った。「しかし、あなたの部屋に天窓があると聞いて」


「天窓が」


「星が見たかった」と晴琉は言った。「俺の部屋は、見えないので」


美那は、少しの間、晴琉を見た。


それから、部屋に招き入れた。


晴琉は天窓を見上げた。


しばらく、黙って見ていた。


「きれいですね」と、やがて言った。


「きれいです」と美那は言った。「毎晩見ています」


「毎晩」


「星は、毎晩違います」と美那は言った。「少しずつ動いています」


「動いているんですか」


「ゆっくりと、動いています」と美那は言った。「同じ星空に見えても、毎晩違う」


晴琉は、星を見たまま言った。


「あなたは、星を読む時、何が見えるんですか」


「その人の、これからが、少し見えます」と美那は言った。「少しだけ」


「俺のこれからも」


「少し、見えます」と美那は言った。


「どんな未来ですか」


美那は、晴琉を見た。


「良い未来です」と、やがて言った。「ただし、あなた次第です」


「俺次第」


「星は、可能性を示すだけです」と美那は言った。「選ぶのは、人間です」


晴琉は、また星を見た。


二人で、しばらく、星を見ていた。


(第三話 了)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ