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巡る世界の中で  作者: ぽんこつ


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8/11

想いを馳せて

龍の手が持つ玉に描かれたのは。

半円?

なんだろう。

ページの下に注釈があった。

円の中に『白』と記されている。

白い龍ってことなのかな?

あっ。

頭の中に火花がほとばしる。

もしかしたら。

りょうさんと私の祖先は親戚とか。

同じ一族だったり。


だって。

私の家の家紋は昇るような上向きの龍。

りょうさんが持っていたライターの紋様は下向きの龍。

でも。

りょうさんが持ってただけで。

どこかで買ったのかもしれないのか。

ん?

今のうちの家紋はこれじゃなかったはず。

なんだったっけ。

鷹の羽が交差した紋様。

りょうさんのことにかこつけて。

知りたい!

好奇心がぷくぷくと泡を立てて。

沸騰しはじめる。

りょうさんに会いたいなぁ。

ため息を一つ。

頬を膨らませて。

頬杖をつく。

また、偶然会えるかな。

宙を見据えて。

頭の中のスクリーンに。

りょうさんを投影する。

全体的に前に流した髪。

二重の中の鳶色の瞳。

目にかかるくらいの毛先が。

煙を吐き出す度に揺れて。

痩けた頬に翳りがあって。

ゆったりとした語り口調も。

耳心地のよい低音も。

しっかり脳裏に焼き付いていて。

でも。

ランダムチャットで。

今まで同じ人と会ったことはない。

このもどかしさ。

こんなに気になる人に出逢っちゃうなんて。

そもそも。

そんなことを期待していたわけではないから。

ただ、着飾らないまんまの私でいられる場所なだけだったのに。

あっ。

肩を落とす。

こんなことなら。

髪もメイクもちゃんとしとくんだった。

厄介だな。

もう。

今。

どこにいるんだろう……


そうだ。

お尻を浮かして座り直す。

パソコンのキーボードを叩く。

『大きな観音様 場所』というキーワードで検索をしてみる。

「わっ……」

意外と多い。

北は北海道から九州まで。

10ヶ所以上ある。

どこだろ。

岩手、宮城、福島、茨城、群馬……

東日本に多いんだな。

ん?

私はモニターに顔を近づけた。

香川県の夕凪島にもあるんだ。

夕凪島は私のご先祖様が神主をしていた神社があった所。

もしかして……

夕凪島大観音という名の画像を表示する。

「わあ」

白くて大きな観音様。

何事も受け止めてくれるような。

穏やかなお顔。

私は他の場所の観音様の画像も確認してみた。

一口に大きな観音様といっても。

大きさも様々で。

中には高さが100メートル近いものもある。

それから。

色が違う。

金色やねずみ色のものもある。

まずは色違いを除外していく。

夕凪島以外の白い観音様がある場所は。

北から順に。

北海道芦別、宮城県仙台、福島県会津若松。

仙台は伊達政宗。

会津は白虎隊だね。

それから。

石川県加賀、千葉県富津、兵庫県淡路島、福岡県久留米。

うーん。

どこも行ったことがない。

暗闇に浮かび上がる姿を想像しても。

どれもそれっぽく見える。

わしゃわしゃと髪をかいて。

「うーん」

両手を挙げて。

伸びをする。

あっ!

私って天才かも。

私はパソコンのメッセージアプリをクリックした。

お読み下さりありがとうございます。

感謝しております。

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