36話「戦利品を確認しよう!」
「それ、盗めた物? 随分と綺麗なだね」
「確かに、巨大骸骨には見合わぬ一品ですね」
「リアさん、良ければその指輪の詳細を教えてください!」
「うん!」
アスハの言葉通り、リアは指輪を手にとって調べてみた。
魂縛なる指輪……【ジャイガンティック・スケルトン】が隠し持っている豪華な装飾がされた指輪。散りばめられた謎の宝石が装備者の能力を向上させる。
装備時、装備者の全てのステータス5%上昇する。
「装備したら全てのステータスを5%上昇させるだって……。何か微妙じゃない?」
「「いやいや!!」」
リアは5%と聞いてそこまでの上昇幅ではないと感じたが、オンラインゲームに精通しているアミとミオは激しく首を横に振った。
「全てのステータスだよ!? めっちゃ強いじゃん!」
「現時点のレベルやステータスでは5%は大きな上昇幅になりませんが、今後ステータスが伸びてきたら相当優秀なアクセサリーになると思います」
「あー、なるほど。今後のことを考えると、5%っていう意味が変わってくるのかぁ」
「そういうこと。大事に持っておくべきものだね」
「で、誰かいる?」
「「「はい???」」」
リアは感心したように話を聞いていたはずなのだが、その後に出てきた言葉は誰か欲しいものがいないかという質問だった。
そんな予想外の問いかけに、3人は拍子抜けしてしまった。
「いやいや、これはリアが持っておこうよ!」
「そうですよ!あれだけ苦労した相手から取った物なんですし!」
「リアさんが着けるので良いのでは……?」
「いや討伐目的だったし、何なら今後も倒し続けようかなって思ってるから、今後も手に入れる可能性高いし」
「今後も倒し続ける……? まさかしばらく【ジャイガンティック・スケルトン】を討伐することに集中するってこと!?」
「うん。そうだけど???」
リアは当たり前と言わんばかりで、指輪をもてあそびながらそう言った。
「な、なぜですか???」
「しばらくコイツで立ち回りとか復習しつつ、アイテム集めしようかなって」
「す、少なくとも集中して20分は頑張らないといけないんですよ? しんどくないです?」
「それも鍛錬かなって。それに何より……。コイツの超レアドロップが気になる。それを確かめるまで、止めたくない」
「「超レアドロップ???」」
超レアドロップの詳細は、リアとアミしか知らないため、ミオとアスハは首を傾げた。
「リア、話しちゃっていいの?」
「うん、この2人にならいいかなって。実はね、盗賊は盗みを相当回数繰り返すと、超レアドロップってのを盗むことができるようになるんだよ!」
「は、初耳です。そんなこと、攻略サイトにも載ってませんよね?」
「は、初めて聞きました……」
「うん。そんなに盗賊で盗みだけやってる人がいないみたいだからね。でも確率が低すぎて、初めての確定のとき以外、出たこと無いんだけどねー」
「もしかして、リアさんのその強さはそこから来ているのでしょうか? だとすれば、誰も再現出来ないことに納得がいきます」
「そゆことです! まぁ狙ってやったことではないんですけどね……」
「偶然にしてもすごいです!」
「興味深い話をありがとうございます。決して他の人に話したりはしませんので」
「私もお口はチャックしておきますっ!」
「二人とも、ありがとう」
ミオとアスハの気遣いにリアは素直に感謝した。
「確かにとんでも無いアイテムかもしれないけど、いつ出るか分からないんでしょ? 本気でやるつもりなの?」
「飽きるまでね。流石にいつかは飽きるだろうし」
「リアはその飽きるのが明らかに人より遅いんだよねぇ、こういうときって」
「まぁ何かするときはそっち優先するから! 一人で何もすることがないときはって感じだね。それに、何かああいう敵と戦うと何かスキル解放される可能性もあるし」
「確かに、そういうのはありそうですね。良ければ私も時間が合うときはご一緒しても?」
「もちろん! 色々試しちゃってください!」
ミオもリアのやり方に少し興味があるようだ。
「そう言えば、宝箱まだ見てなくない?」
「あ、そういえば」
アミに言われて、ようやく【ジャイガンティック・スケルトン】が落としていった宝箱の存在を思い出した。
四人は宝箱に駆け寄っていくと、リアがゆっくりその中身を確認した。
そこに入っていたのは、あまりにも大きな骨一本だった。
「ええー……。骨一本だけ?」
「や、やたら大きくない?」
「素材でしょうか?」
リアが調べてみると、アイテムの詳細が表示される。
骸王の骨……【ジャイガンティック・スケルトン】の強靭な骨。驚きの軽さと鉱物を砕くほどの強度を持つ。元主の残り香である魔力がやや感じられる。
「素材だね。これで鉱物砕くことが出来るらしいよ?」
そう言いながら、リアは骨を持ってブンブンと振り回した。
「貴重な素材みたいですね! 私は裁縫なので出番はありませんが、職人やってる身からするとかなり高価になる予感がします」
「一応、置いておこうか。アミ、預かっといてくれる?」
「わ、分かった。一応預かっておくね」
振り回すのをやめて、リアはアミに骸王の骨を渡した。




