37話「ミオの加入と異質プレイヤーの増殖」
【ジャイガンティック・スケルトン】が倒されたという事実に周りのプレイヤーがざわつく中、アミが骸王の骨をしまい終えた。
「そういえば、ミオさんってギルドどうするとか決めました?」
「ああ、そろそろ実装予定なんでしたね」
「あっ、言いにくかったら全然言わなくても大丈夫です!」
エキシビションマッチに出ているレベルである以上、引く手あまたなのは確実。
もしかすると水面下で話が進んでいたり、もう既に決まっている可能性もある。
ここにいる三人が一緒のギルドに集まる予定という状況でこんなことを聞かれれば、勧誘だと思われても仕方ない。
せっかく仲良くなったのに、変な気を遣わせて距離が出来そうだと思ったリアは、慌ててそう言った。
「全然大丈夫ですよ! というか、何も決めて無くて……」
「同じく雪の洞窟に逃げ込んだ者なので分かりますけど、勧誘多いですよね?」
「そうなんですけど、全部断りました。入りたいって思うところがありませんでしたし、なんかすごい食い気味で来られてちょっと……」
「分かりますっ! いや、分かりすぎます!」
「ちなみになんですけど、ミオさんってガチ勢じゃないんですか? エキシビションマッチに出られてるあたり、ガチ勢かと思ってましたが」
疑問に思ったのか、アミがミオにそんなことを問いかけた。
「ハマったらとことんやるってタイプですね。ただ、自分の出来る範囲でっていう条件付きですけどね。今回はものすごくハマっていて、結構頑張ったのでたまたまいいラインまで行けたって感じです。なのでギルドとか他の人も絡むようなことまでガチ勢かと言われればそうでは無いですね。過去にあんまり良く無い経験も一応してるので……」
「あー、分かります。オンラインゲームの宿命ですよね。ちなみになんですけど、リアも当初その理由でこのゲームをやることすら後ろ向きだったんですよ?」
「そうだったんですね、なのに今では誰よりも先頭を走っちゃってますね」
「これでもエンジョイ勢です!」
「エンジョイ勢かも怪しんだよなぁ……。ただひたすらアイテム収集か特技コピーを修羅のようにしてるだけにしか見えないけど」
「それが楽しいからいいの!楽しいのが一番じゃん、ゲームなんだし」
「それはほんとにそう」
アミは話にやや置いてけぼりのアスハの頭を撫でながら、リアの言葉に同意した。
そんな三人の姿を見て、ミオは一歩前に出て切り出した。
「あの……。良ければ私も皆さんのギルドに入れていただけませんか?」
「えっ、入ってくれるんですか!?」
「気が合う人に、自分のスタイルや考え方に近いギルド……。これ以上のところは見つからないと思いますので!」
「もちろん大歓迎です! ぜひとも一緒に色々やりましょう!」
「よ、よろしくお願いしますっ!」
こうして、新たに結成予定のリアたちのギルドにミオが加わる予定となった。
※※※※
「よし、【ジャイガンティック・スケルトン】は今日もプレイヤーを追っかけ回してるな!」
「思ったより復活遅いですよね。リアルタイムで半日経たないと復活しないなんて」
新たにミオを加えて四人で行動するようになったギルド結成組(仮)は、リアを中心に【ジャイガンティック・スケルトン】の戦闘をすることをノルマにしていた。
当初の予定ではリアがひたすら【ジャイガンティック・スケルトン】と戦闘しまくる中で、三人が気が向いた時に参加するくらいで、あとは各々自由にやりたいことをやったり、困っていることが出来たらみんなでやろうくらいのノリだった。
ただ、新たに分かったこととして【ジャイガンティック・スケルトン】は一度討伐するとリアルタイムで半日経過しないとリスポーンしないことが発覚した。
更に、リアがこれまで積み上げてきた実績開放のことなどを話した結果、【ジャイガンティック・スケルトン】と戦うことは現時点でも有意義なことではないかとアミとミオが考えた。
このような複数の要素から、せっかくならみんな揃って活動する一つとして日課にしても良いのでは、という話になった。
「わ、私なんかが参加してもいいのでしょうか……?」
「大丈夫!ダメージ入らなくても良いから殴ってみたり、前にも話しした通り力尽きることにも意味があるから、色々してみて!」
「わ、分かりました!」
足を引っ張るのではないかと不安に感じているアスハだったが、現状ではリア以外何も出来ないのは同じこと。
そういう面でも、早めにアスハにも戦ってもらうのが良いとアミは考えた。
そんな思惑もあって、日々【ジャイガンティック・スケルトン】と戦闘を重ねることとなった。
そのため、リアの除く3人がまず【不屈の魂】の実績を解除するために、リアの戦闘の横でひたすら攻撃を受けて力尽きる作業が始まった。
「こ、これで私たちもリアと同じおかしな人の仲間入りじゃ~ん……」
「ネットで色々と噂されるでしょうね」
「な、なんかもうあのモンスター見るの怖くなくなってきました……」
「みんな、街からここまでのマラソンだけ頑張って!ぶっちゃけると、みんながタゲ取ってくれるからあの時より戦いやすいよー!」
【ジャイガンティック・スケルトン】と四人の女子プレイヤーによる戯れが、周辺プレイヤーの当たり前の光景になっていった。




