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第5章 シンディ (4)
なぜ彼女はこれほど美しいのか。なぜ世界中が彼女の一挙手一投足に熱狂したのか。
それは、まだ無垢な少女だった彼女が、ある夜、鏡の中でアルサトラと交わした契約によるものでした。
『誰よりも愛されたいか?』
鏡の向こうの影に問われ、彼女は頷きました。
「世界一幸せな結婚がしたい。そして、永遠の美しさが欲しい」
アルサトラはその願いを聞き入れました。
『よろしい。お前に世界中の視線を集める魅力を与えよう』
アルサトラはその願いを叶える対価として、彼女の人生を「全世界の視線」に捧げることを要求したのでした。
この時彼女は、まだ気づいていませんでした。その対価が、自身にとっていかに深刻なものとなるのかに。
結婚式の日、彼女が浴びた何万回ものフラッシュの光。それは祝福の光であると同時に、契約履行の証でもありました。
彼女は「見られる」ことで輝き、そして見られることで生贄となる運命を受け入れたのです。




