第3章 エディ (5)
その時は、あまりにも突然、そして残酷な形で訪れました。
再選に向けたパレードの日、空は突き抜けるように青く澄んでいました。オープンカーに乗ったエディとその妻は、沿道を埋め尽くす群衆に笑顔で手を振り、その声援に応えています。
その瞬間、乾いた破裂音が響きました。
若き大統領の身体は複数の弾丸を受け、不自然に大きくのけ反りました。
隣席の夫人が悲鳴を上げ、彼を抱き寄せる凄惨な光景。パレードの喧騒、観衆の悲鳴、そして突然鳴り響いた乾いた銃声。
エディが崩れ落ちるその決定的で凄惨な瞬間は、現場にいた人々のみならず、世界初の衛星中継という舞台装置によって地球の裏側でも目撃されることとなったのでした。
「大統領暗殺!」
テレビは一日中、その衝撃的なニュースを流し続けました。
その後犯人とされる男が逮捕されますが、さらにその男もまた生中継の最中に射殺されるという異常事態。
すべてが劇的すぎたと言うよりなく、まるで誰かが書いた三流の、しかし最高に視聴率の取れる脚本のようだと人々は呟いたのでした。
真相はやがて闇の中へ消えていきました。魔法の弾丸、複数の射手、巨大な陰謀。人々はテレビが流す無数の仮説に酔いしれ、真実を見抜く力を失っていきました。
テレビによって生み出された大統領は、テレビによってその最期までも世界に晒されることとなったのです。




