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前世社畜の俺、スローライフを望んだのに気づけばステータスだけが勝手にカンストしてる件  作者: ローナ


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16/26

大会が開催されるらしいけど参加してないのに優勝してました

 朝。


 起きている。


 目は閉じている。


 これは寝ている。


【省エネ成長:安定上昇】


「完璧」


 外が騒がしい。


 もう慣れた。


 慣れたくなかったが、慣れてしまった。


「ユウトーーーー!!!」


「いない」


 ドアが開く。ミリアだ。


 今日も元気だ。


「大会!!」


「出ない」


 即答。


「まだ説明してない!」


「出ない」


 内容はどうでもいい。


 結論は同じだ。


 セリスが入ってくる。


「街主催の大会よ」


「出ない」


「“無為流”限定の」


「出ない」


 完全に嫌な流れ。


「お兄ちゃん、すごい人いっぱい来てるよー!」


「見ない」


 ルナが楽しそうに窓の外を見ている。


 見ない。


「師匠!ついに頂点決定戦が!」


「違う」


 リィナはもう止まらない。


「優勝したらどうする!?」


「しない」


 しない。


「参加しないから!」


 大事なことなので強く言った。


 だが、そのとき。


【生活最適化:外部イベント発生】


「……関係ない」


 先に言っておく。


 コンコン。


 ノック。


「……多い」


「入るわ」


 リオナだ。


「順調です」


「やめて」


 もう聞き飽きた。


「大会、始まります」


「出ない」


 先に言う。


「エントリー済みです」


 静寂。


「……は?」


「“無為流・創始者ユウト”として」


「してない」


 完全にアウト。


「代表枠です」


「やめて」


 勝手すぎる。


「辞退は?」


「不可です」


 早い。


「もうトーナメント表に組み込まれています」


「抜ける」


「不戦勝になります」


「いい」


 それでいい。


 だが。


「その場合、次も不戦勝です」


「いい」


「さらに次も」


「いい」


 楽だ。


 完璧だ。


 ミリアがニヤニヤしている。


「それってさ」


 嫌な顔だ。


「優勝するんじゃない?」


「しない」


 断言。


 セリスが小さく頷く。


「理論上は可能ね」


「やめて」


 だが。


 外から声が聞こえる。


「第一試合終了!!」


「無為流の勝利!!」


「……?」


 何もしてない。


「第二試合も不戦勝!」


 早い。


「準決勝進出!」


 進まないでほしい。


【誤解誘導が発動しました】


「さすが……姿すら見せない……」


「“無為”の極地……!」


 やめて。


「違う」


 だが止まらない。


 時間が進む。


 何もしていない。


 それなのに。


「決勝戦開始!!」


「早い」


 ミリアが笑っている。


「ここまで全部不戦勝だよ?」


「いい」


 それでいい。


 だが。


「対戦相手は……」


 一瞬、静まる。


「無為流・創始者ユウト!!」


「いる」


 呼ばれている。


「来てません!!」


 実況が焦っている。


「不戦勝扱いとなります!!」


 歓声。


「……終わり?」


 セリスが呟く。


 次の瞬間。


「優勝者、ユウト!!」


 爆発する歓声。


「……やめて」


 やめてほしい。


 ミリアが肩を震わせている。


「優勝だって」


「してない」


 リィナは涙目だ。


「師匠……圧倒的……!」


「違う」


 ルナは拍手している。


「お兄ちゃんすごーい!」


「すごくない」


 だが。


【資源流入:大幅増加】


「優勝賞金です」


 リオナが袋を差し出す。


「多い」


 重い。


 明らかに重い。


「あと称号も」


「いらない」


「“無為王”です」


「やめて」


 ネーミングが強すぎる。


「街ではもう定着しています」


 終わった。


「……帰る」


 限界だ。


 布団へ直行。


「……疲れた」


 本当に何もしていないのに。


「ユウト、優勝したね」


「してない」


 ミリアが笑う。


「でも記録上はね」


 セリスも頷く。


「公式優勝よ」


 ルナが嬉しそうだ。


「お兄ちゃん一番!」


「違う」


 リィナは完全に尊敬している。


「師匠……頂点……!」


「違う」


【省エネ成長:大幅上昇】


「いいね」


 何もしないほど、全部うまくいく。


「寝る」


 目を閉じる。


 外では、まだ歓声が続いている。


「……知らない」

【次回:なぜか“王都に呼び出し”が来ますが、行きません】

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