巷説喧騒〜隠された心酔①〜
内密の円卓会議で決められたのは
・末姫が自ら動くまで竜見の城での養生を優先する。
・鬢胡から改めての結婚式の打診があっても、末姫の気持ちを優先する。
・今回のことで、末姫にはあらぬ噂が飛び交うかもしれない。その対策を早急にたてるべきである。
末姫を思えば、彼女の気持ちを優先してほしいとおセンが経験者として何度も皆を説き伏せた。
鬢胡からの圧力には朱山公が任せておけと胸を叩いてくれた。
母后も、末姫の気持ちを最優先ということに賛成してくれた。白峰公も末姫への噂への配慮などを貴族たちに間違った情報が飛び交わないように善処してくれるとのことだった。
おセンは、末姫が守られ安堵した。自分のときはそんな守ることなどどうしたら良いのかみんな途方に暮れ、朱山公が、手を差し伸べてくれた一年後まで腫れ物に触るような扱いだった。この会を満足して終えることができた。会の後、嫁の三姫にも伝えてあげようと白峰公爵が席を立った。
そのタイミングを見ていたのか、朱山公はおセンにこれから末姫の側にずっといるのかと問うた。確かに、どうしていくのかここに残った面子は仲姫がおセンとして過ごしていることを知っている。母后も父王から聞かされ卒倒しそうだったが、元気になったのならと黙認することにしていたのだ。
悩んだおセンは
「妹の様子を見て決めます。ずっといられてもあの娘も困るでしょう。ぼやけていたけれど城ではない場所で私と会ったことはあの娘も気づいているはず…。城の運営をしていて領地の視察に行っていたと伝えるつもりなので、あの子の調子が良ければ視察に行くと伝えるようにしてから村へ参りますし、寺子屋がないときはできるだけ城に行くようにもします。」
と、山人に告げた。
うんうんと父王は頷いたが母后は不本意そうである。聞きただしたら面倒くさいことになりそうなのでおセンは気づかないことにした。
「あまり無理なさらず…。いつでもおセン様のお力になりにいきますので。」
と柔らかい笑顔で朱山公はお辞儀をする。
「ありがとうございます。和平叔父様」
おセンはにこやかにお礼を言う。朱山公の名前は和平という名前である。しかし、昔から親しく仲姫を支えてくれていた朱山公を王族だけが漢字の音読みをするようにワヘイと呼んでいたのだ。
ちなみにだが、母后は朱山公爵家出身ではないため、おセンと朱山公は近い血縁者ではない。母は、黒河公爵家出身である。結城は古くからの名門の家に色の名前がついている。通称五色家といわれている。今回の話し合いに当然五色家が呼ばれると思っていたが、2家しか呼ばれてなかったことを不思議におセンは思っていたが、内内で決めたいこともあるなら少人数がいいのかと思っていた。
話し合いが終わり、早々に帰路につこうとしたが、泊まっていくことを勧められ、また舅から話を聞いた三姫がしばらく向こうにいけないため、一晩は残ってほしいと懇願してきたため身動きがとれず渋々頷いた。
久しぶりの本山…おセンは長い長い夜となり、寝付くことなどできなかった。




