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キカンコ  作者: テンチョウ


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第8話 バクバクニューカマー

 期間工は入れ替わる。

 そもそも三ヶ月の契約だ。当たり前ちゃー当たり前で、更新せずにサヨナラバイバイする人も結構いるのだ。

 で、去る者がいれば来る者もいる。


 柴田のいるチームにも新しい人が入った。

 その一人である棟方(ムナカタ)と、柴田は組んで作業することが多くなった。


 短い休憩時間、タバコを吸う者は喫煙ルームまで行く。そうでない者は休憩室に行ったりするのだが、柴田は移動するのが面倒臭くて、その辺に適当に座って休んでいた。

 棟方もタバコは吸わず、移動も面倒なのか柴田と休むようになり、必然、よく話すようになったのだが。

「カレーうどん、結構レベル高いと思いますよ」

 棟方は、まだ入って間もないのに、食堂のメニューについてとても詳しかった。柴田は、あるあるな話として経験者かと思ったがそうではなく。

「俺、二回食ってるんですよ」

 と、言った。


 最初、意味がわからなかったが、一回食事して片付けた後に、別メニューをもう一回食べているのだという。要は二人前食ってるわけだ。

 食堂の昼食、夕食は無料なのだが、それは一食分のみで、二食目からは有料になる。また夜食も有料になる。

 もしや全部タダと思ってるのではと確認すると。

「大丈夫です。腹減るんで」

 だそうだ。


 この日は遅番で、仕事終わりに夜食もちゃんと食べていった。



 よく食べる人もいるもんだ程度に思っていたら甘かった。

 棟方と同じ寮に住む者が言うには。

「彼、寮の食堂の飯は食わないんですよ。それで、食べなくて大丈夫なのか聞いたんですけど、早番のときは、会社で三食くってるからって言ってましたよ」

「いや、早番の昼食後ってめっちゃ忙しいじゃん。三食くって動いてんの?」

「そうだと思いますよ」


 衝撃であった。


──そりゃメニューに詳しくなるわ・・

 柴田は乾いた納得を持った。

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