↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キカンコ  作者: テンチョウ
第一章 ロジスティクス編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
29/41

第29話 ハツハツメニュー

──おっ・・ 新しいのがあるな。

 柴田は食堂のメニュー表を見て思った。



 工場の食堂はカテゴリーごとの日替わりだが、一週間分の献立は、週の初めに表示される。

 表は食堂の壁などに貼ってあるが、社内ネットワークで共有されており、それぞれの部署でプリントアウトされていたりもした。


 柴田のいるチームの待機場所にも貼ってあり。彼を含め、チームメンバーたちはメニューを見ながら。

「今日なんにするかな~」

 などと言うのが日常のひとこまとなっていた。




 昼休憩になり、食堂に移動した柴田は、うごんコーナーに並んだ。

 本日のうどんメニューは『武蔵野うどん』である。冷たいうどんを、温かい肉うどんの汁に浸けて食べる料理だ。

 存在自体は前々から知っていた柴田だったが、特にうどんに興味津々という訳でもなく、記憶の片隅にあっただけだった。しかしメニュー表で目にとまり、折角なので食べてみようと思い立ったのだ。


 つけ汁だけに、やや濃いめの味付けで、まぁそれは、良くも悪くも期待通りであった。

 柴田が意外に感じたのは麺で、極太で食べ応えがある食感だった。讃岐系とは違うコシで、柴田としては新鮮な体験だった。




 食事を終え、柴田はチームの休憩室へ行った。

 そこでチームの者に。

「今日なに食った?」

 そう聞かれ、うどんの話をすると。

「俺、地元なんだよね」

 と、自称武蔵野ッ子が名乗り出た。


 その彼が。

「あれさ──。俺の子供のころはなかったんだよ」

 と、言いだし。

「温かい肉うどんみたいな、そういう料理だったんだよ」

 と、思い出の武蔵野うどんについて説明した。

 更に彼は。

「ラーメンのさ、つけ麺とか出回りだした頃からだと思うんだよね、あのつけ汁方式。たぶんどっかの店が、つけ麺ブームに乗っかってやり出したんじゃないかって睨(にら)んでるだけどさ」

 推測を交え、郷土の味について語った。


「そうなんですか」

「いや、たぶんね。だって、生まれも育ちも武蔵野なのに、俺知らんもん」

 自称生粋の武蔵野ッ子は証言した。



 ここで柴田は、ふと思いだし。

「あー。自分の地元も、大根おろしで蕎麦を食うのが郷土食みたいな感じだったんすけど。その大根って、特に特別な大根じゃなかったんですよ。それがいつの間にか、辛い大根を使わなきゃ駄目みたいな風に変わっちゃて。えっ、聞いてないけど? って状態ですよ」

 自身の田舎の話をした。

「ハハハッ──。それもたぶん、どっかの店が辛いのでインパクを出そうとしたのが、広まっちゃったんじゃないの?」

 武蔵野ッ子は言った。



 普段の食後はまったりする事の多い柴田だったが、この日は、互いの地元話で、それなりに盛り上がった時間を過ごした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。