表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キカンコ  作者: テンチョウ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/23

第14話 イソイソウィークエンド

 週末の朝は早い。

 いや、あえて早く起きるようにしているのだ。特に遅番終わりの週末は、週明けが早番であるから、体内リズムを調整したいというのがあった。


 柴田が最初にやる事は、洗濯だ。

 出玄(デゲン)寮に洗濯機は十台あり。二十四時間、好きなときに洗濯出来る。

 しかしながら、時間帯によっては他の寮生と()ち合うことが間間あり、そうなると時間をずらす事を()いられる。

 別段、急ぐわけでもないなら、それならそれで構わんという者もいるだろう。

 柴田も最初はそうだった。

 だが一度、タイミング悪く、いつまで経っても洗濯出来ずにイライラした経験をしてからは、待たされるのは御免(ごめん)とばかり、いの一番に行動するようになった。

 あと気のせいか、洗濯機に個体差というか、微妙にイイのとイマイチなのがあるようで、柴田的には当たりの物で洗いたかったのもある。


 洗い上がるまで、部屋で買っておいたパンとかで朝食だ。

 この出玄寮は自炊禁止だ。(ゆえ)に、朝食の確保は割と面倒な問題でもある。


 平日、即ち仕事のある稼働日は、会社の食堂で有料だが朝食をとることも出来る。早めに出勤して食堂に向かう人も結構多い。

 しかし週末ともなると、そうはいかない。柴田の場合、基本的に何か買っておいて食べるという形になる。

 ちなみに部屋には冷蔵庫がないので、買い置きの系統は限定される。



 時間が来て、洗濯物を取りに行く。

 乾燥機は無く、物干し場があるのだが、柴田は利用しない。盗られる心配はそれほどしていないが、なにしろ寮の隣は小学校のグラウンドだ。風が吹けば土埃(つちぼこり)とかスゴそうに思えて、とても干す気にはならないのだ。

 柴田は四畳半の部屋の隅、その上部にフックがあるのに気付いた。備え付けではないようだが、かなり以前からある感じで、おそらく先人がコッソリ付けたのだろう。

 そのフックに細いロープを渡し、物干しヒモとして利用している。




 干す物干して、少しまったりした後、柴田は出かけた。方向は駅とは反対だ。

 出玄寮周辺は田畑が多い田舎っぽいところだが、同時に人口の多さも感じる場所で、休日ともなると車がひっきりなしに走っている。そして、車で出かけた者たちが集まる、郊外型の大型店舗もあちこちにあるのだ。

 柴田はその中の一つ、スーパー、百円ショップ、服屋、子供用品店、ホームセンターが一堂に会した商業施設に向かった。


 広い駐車場に、警備員までいて、あのライトセーバーみたいので誘導を行っている。見るたんびにスゴいと思ってしまう。


 柴田は、服屋をぶらっと見て、百円ショップで小物を買い、帰りにスーパーで昼食用にカップ麺と、ウインナー、クリームパンと色々買った。



 寮までの帰り道、表通りを避けて裏道みたいなところ歩いていると。

「おう、柴田」

 不意に声を掛けられた。

「あっ、どうも──」

 柴田はそれだけ行って、そそくさと立ち去った。


 相手は黒井で、彼もまた出玄寮の住民である。他に柴田のチームでは、坂上もまた寮生で、柴田とは同じ階のため、ちょくちょく顔を合わせる感じだ。


 特に黒井を避けているわけではないが、柴田の見るところ、黒井はラーメン屋に行く雰囲気を持っていた。

 前に一度付き合った限りでは、確かに美味いラーメンだったが、値段的に。

──もういいわ。

 と、柴田の中の選択肢から、ラーメン屋は削除された。

 よって、望まぬ出費を回避するため、速やかなる帰還を実行したのだ。



 部屋に戻った柴田は。

──これで十分でしょ。

 と、ウインナー入りカップ麺を(すす)りながら思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ