【改良ダリアン暦1年105月16日】プロジェクト ダンジョン その3
ダンジョン探査用ドローンが出来上がった。
巡視用と違って数を用意する必要がないこと、搭載する測定器の選定やソフトの制作も、余り迷う所がなかったので、あっという間に仕上がった。
◇
そして、いよいよ水資源探査本番。
メンバーは、フローレス先生とクラウディアさん、それに新任のジョン君とアスナン君、あと水関係の調査の時は必ず呼ばれることになっている微生物学者のアリシアさん。それに探査ドローン操作担当のオプロンさんと測量担当の僕だ。
まずは測量。
ダンジョンの入口でアンテニフェラ・システムを起動させ、測量の基準点を設置したら、移動基地局とドローン3機を入洞させる。
暫くの間、洞内を緑色のレーザー光が飛び交う。音波探査も行う。地面や壁の硬さを確認するためだ。測量が終わるまでは、我々は穴の入口でしばし待機だ。
測量が終わった。
モニターで結果を確認する。
「中は思ったより広いですね。奥行きもかなりありそうです。足元は柔らかい部分や深い穴のようなものは確認されてません。大丈夫そうです。ゆっくり入洞しましょう。」
◇
中に入ると、紡錘型のやや広い空間がある。取り敢えずここに工事用のぼんぼりを据えて電源を入れ、中を照らす。
先へ行くと、紡錘型の空間は狭まり、やがて人一人が入るのがやっとの感じの狭窄部に辿り着く。
「測量出来ているのはここまでです。取り敢えずここまで探査ドローン飛ばしてみますか?フローレス先生。」
「そうだな、まだ氷の層は無さそうだが、一応飛ばしておこうか。」
探査用の有線ドローンを飛ばす。案の定、足元にも、壁や天井にも反応はない。
「この辺にあった水は全て蒸発して消えたようだな。」
「水蒸気になった水は何処へ消えたんです?」
「それは私にも分からんが、溶岩流が冷えたあと、天井に出来た隙間から出ていったか、或いは水に戻って下流へと流れ去ったか、といった所じゃないのかな。」
「なるほど。」
凍った水脈が出て来るのは、まだ先のようだ。
◇
その後、さらに100m程行った所で、火砕流の層が現れ、その下についに氷の反応を確認した。氷床は結構な厚みがあるようだ。
ボーリングを行う。数mほど下に氷の層がある事が確認できた。氷床のサンプルを採取する。
「成果があって良かった。取り敢えず今日は一旦戻ろうか。」
◇
その後、何度か調査を繰り返し、地下の氷床の規模や形状が概ね把握できた。あとは、取れたデータから氷の採掘計画を立てればいい。
ところが。
◇
「ミッキー。」
アリシアさんまで。
「ちょっと一緒に来て。フローレスの所へ行くわよ。」
どうしたんですか?
「出ちゃったのよ。」
何が?
「大変なものが。」
それって、まさか。




